健康小話

卵細胞で活発に働いている遺伝子を使い, 質の高い iPS 細胞を作製する事にﾏｳｽで成功した, と長浜ﾊﾞｲｵ大 (滋賀県) とﾄﾞｲﾂのｹﾞｯﾃｨﾝｹﾞﾝ大のﾁｰﾑが発表している.

ﾁｰﾑによると, iPS 細胞は血液や皮膚などの細胞に数種類の遺伝子を導入して作り, 受精卵の様に体の様々な細胞や組織に変化する能力を持っている.

だが, 従来の作製法では遺伝子の働きが抑制される異常な 「ﾒﾁﾙ化」 が起きて, 細胞や組織に変化する能力が低く, 生殖細胞になれないものが出来る事があったと言う.

ﾁｰﾑは卵細胞で活発に働いている遺伝子 「Dppa 3」 に注目.

iPS 細胞が出来る際, Dppa 3 がﾒﾁﾙ化を妨げる事を発見したのである.

他の遺伝子とともに Dppa 3 を導入して作った iPS 細胞は, 高い割合で生殖細胞に変化した.

長浜ﾊﾞｲｵ大の中村 肇伸准教授 (生殖細胞学) は 「人の卵細胞にも Dppa 3 がある. 研究を進め, 更に質の高い iPS 細胞を効率良く作れる様にしたい」 と話している.

つい先日, 目の難病 「加齢黄斑変性」 を iPS 細胞を用いて治療する 2 例目の臨床研究が見送りになった.

作製した iPS 細胞に遺伝子変異が見られたからだと言う.

万能細胞である iPS 細胞だが, 効率よく質の高い iPS 細胞を作製する技術の開発が求められているのである.

Have a nice weekend!
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