(1974) 『星の流れに』?2015/07/22 02:10

歌謡曲 『星の流れに』 は, 1947 年 (昭和 22 年) 10 月に, テイチクから発売された.

作詞 : 清水 みのる, 作曲 : 利根 一郎, 歌手は菊池 章子である.

この歌には次の様な逸話がある.

作詞者の清水は, 太平洋戦争終戦後間もなく, 東京日日新聞 (現毎日新聞) に載った女性の手記を読み, 衝撃を受けた.

元従軍看護婦だった彼女は, 奉天から帰国して来たが, 東京は一面の焼け野原で, 家族も総て失われた為, 「夜の女」 として生きるしかない我が身を嘆いていたと言う.

清水は, 彼女の遣る瀬無い気持ちを胸に汲み, 戦争を憤る告発の詩を徹夜で作詞したのである.

一方, 作曲家の利根も, 上野の地下道や公園を歩き廻りながら作曲したと言う.

当初, テイチクでは, コロムビアから移籍直後の, ブルースの女王, 淡谷 のり子に吹き込みを依頼した.

然し, 淡谷には 「夜の女の仲間に見られる様なパンパン歌謡は歌いたくない」 と断わられてしまった.

そこで, 会社は同じくコロムビア から移籍していた菊池に吹き込みを依頼した処, 彼女は歌の心を充二分に理解し, 戦争の犠牲になった女の無限の哀しみを切々と歌い上げたのである.

完成した際の題名は 『こんな女に誰がした』 であった.

けれども, GHQ から 「日本人の反米感情を煽る惧れがある」 とクレームが付き, 題名を 『星の流れに』 と変更して発売されたと言う.

その後, この曲は, 青江 三奈, 石川 さゆり, 工藤 静香, 研 ナオコ, 高橋 真梨子, ちあき なおみ, 戸川 純, 藤 圭子, 美空 ひばり, 美輪 明宏, 春日 八郎など多くの歌手によってカヴァーされている.

閑話休題.

処で, 日本を代表する企業である東芝が, 不適切会計問題で歴代 3 代に亘る社長が昨日辞任した.

トップ自らが, 利益至上主義に奔り, 損失先送りを指示していたと言うのだから, 最早, 何をか況や! である.

決算を控えて, 「3 日で 120 億円の利益を計上せよ」 などと無理難題を部下に命じた処で, それが出来るなら, 初めから誰も苦労はしない.

そんなパワハラ指示なら誰にも出来る.

そんな情けない男を 3 代続けてトップに選ぶなど, どの様な組織メカニズムが働いているのだろう?

かつて, 宮仕えしていた私が出入りしていた頃の東芝は, 臨調でも辣腕を揮った 「メザシの土光さん」 の遺した, "質実堅実で野武士的な社風" が感じられていたものだが...

唄の文句じゃないけれど, "こんな東芝に誰がした?"

トップの責任は重い.

Have a nice day!
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