(2018) 森山 紀之先生の 「拝啓 これから癌になる皆様へ」 (2)2015/09/04 02:40

かつて, 肺癌の疑いでがんセンターにやって来て, 3 週間後の手術を予約した患者さんがいた.

処が, その患者さんはこの 3 週間が待てなかった.

何でも, その間を利用して情報を集めた処, 知り合いが, 「世界一の名医を知っている」 「普通は半年以上待たないと手術して貰えないが, 私が頼めば直ぐに割り込ませて貰える」 などと言って来たとの事.

世界一に惹かれたのか, 一刻も早くと思ったのか, 自分の順番が来る前に手術をキャンセルして他の病院へ移ってしまったのである.

癌が進行しているにも拘らず, 手術までの 3 週間, 精神的に不安定なまま過ごすのは辛いかも知れない.

でも, 癌の手術を受けるには, 術前検査などの幾つものプロセスを経る必要があるので, この位の時間は掛かってしまうものなのだ.

例えば, 見かけは丈夫そうでも, 検査の結果, 心臓に問題がある事が見付かったり, 既に全身に転移していたり, と言う事もある.

そうだと判れば, 心臓に負担をなるべく懸けない方法が第一の選択肢になるし, 転移の状態によっては手術をせず, 抗癌剤治療に進む事もある.

居ても立ってもいられない気持ちは理解出来るが, 手術まで最低 3 週間程度は見ておく必要があるのだ.

癌の研究や癌の治療技術の開発は未だまだ発展途上にあり, 未知の領域が沢山残されている.

また, 病態は 「患者さんが 100 人いれば 100 態ある」 と言えるほど多様である.

そのため, 治療法も多く, 標準治療のガイドラインが定められている一方で, 一つの治療法だけを専門に行う医療機関や医師も存在している.

それだけに, 私たち医師は, 治療の選択の基礎となる十分な情報提供を行い, 患者から同意や納得を得る事 (= インフォームドコンセント) が欠かせない.

更に, 患者自身が納得出来る説明を求める為に, 主治医以外の意見を聞くセカンドオピニオンを希望する人も増えている.

分らない事を訊く相手は, 先ずは主治医であるが, もしも納得出来ない時やその他の可能性を探りたい時には, セカンドオピニオンを求める事に, 患者として何の遠慮も, 躊躇する必要もないのである.

Have a nice day!
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