健康小話

九州大などの研究ｸﾞﾙｰﾌﾟによると, 生活習慣病に関係なく血糖の濃度が異常に上昇する 1 型糖尿病は, 体内に侵入したｳｲﾙｽの増殖を遺伝子変異のせいで抑えられないために発症率が高まる事を, ﾏｳｽを使った実験で初めて突き止めている.

糖尿病は生活習慣病に起因する 2 型と, 乳幼児期や若年期に多く発症する 1 型があり, 1 型の一部は風疹, おたふく風邪といったｳｲﾙｽが原因と考えられて来たが, 明確な証拠はなかったのである.

今回, ｳｲﾙｽ感染で糖尿病が発症するﾒｶﾆｽﾞﾑの一端が解明された事で, ｸﾞﾙｰﾌﾟは 「人もｳｲﾙｽ感染が危険因子になり得る. ﾜｸﾁﾝの開発が期待出来る」 と考えている由.

研究は, 九州大大学院医学研究院の永淵 正法教授 (臨床ｳｨﾙｽ学) や佐賀, 大分, 宮崎の各大医学部などの共同ｸﾞﾙｰﾌﾟで実施している.

ｸﾞﾙｰﾌﾟは, 脳心筋炎ｳｲﾙｽにより糖尿病を高い割合で発症するとされる種類のﾏｳｽがいる事に注目している.

その結果, ｳｲﾙｽ増殖を抑える蛋白質の作用に関わる 「Tyk 2 遺伝子」 が変異していると, 正常なﾏｳｽより発症率が極めて高い事を確認したのである.

蛋白質が上手く作用しないために膵臓の細胞の働きが弱まり, 血糖値を下げる 「ｲﾝｽﾘﾝ」 を作れなくなる為と見られ, ｸﾞﾙｰﾌﾟでは詳細な研究を続けると言う.

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