(2304) 透析, 腎臓の働きを担う2016/06/17 03:31

今回も 「身体のフシギ」 から.

腎臓の働きが弱り, 老廃物を排出出来なくなったり, 水分量や電解質などの調節が損なわれる様な状態を 「腎不全」 と言う.

慢性的に起こる事も急性の事もある.

水分や電解質の調節が出来なくなる結果, 精神障害や意識障害などの中枢神経症状, 心不全, 血圧異常, 肝機能障害, 貧血などを引き起こし, 生命に危険のある事すらある.

慢性腎不全はゆっくりと進むものの, 回復出来ない事も多い.

血圧低下などが原因となって一時的に起こる急性腎不全は, 急性の時期を乗り切れば回復する可能性がある.

重症の腎不全では, 提供者がいれば, 健康な腎臓の移植を受ける事もある.

ただ腎臓移植は何時でも直ぐに出来る訳ではない.

より一般的な腎不全対策は人工的に老廃物を処理する 「透析療法」 である.

一般に, 塩分を通す膜を境にして塩分濃度が異なる場合, 塩分は濃い方から薄い方へと流れる. こうした膜で老廃物を体の外に出す治療が透析療法だ.

患者自身の腹膜を使う 「腹膜透析」 と, 血液を体の外に流して透析する 「血液透析」 がある.

腹膜透析は一時的な事が多く, 長期の場合は血液透析となる.

血液透析は 1913 年に実験が報告され, 45 年から応用が始まった. 60 - 70 年代から急速に発展し, 現在では腎不全の有力な治療法となっている.

本日のカット写真 : 下平 宏 氏提供 (キジのバトル ②)

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