(2321) 高齢者の身体拘束, 6 割超, 紐で縛る・薬を過剰投与2016/07/04 02:46

民間病院などでつくる全日本病院協会 (東京) が高齢者の身体拘束の状況を調べた処, 回答があった約 680 の病院・介護施設の 6 割超で, 厚生労働省の手引が原則禁止としている行為を行う事があると答えた事が判明している.

同協会の木下 毅常任理事は 「身体拘束を受ける事で気力が失われ, 症状が悪化する恐れもある. 施設の管理者が意識を高め, 現場職員への指導を徹底する必要がある」 と指摘している.

一方で 「職員個人に判断を任せず, 施設全体で患者や入所者の症状や行動を把握する事が重要だ」 ともコメントしている.

厚労省は 「各施設の組織としての取り組みが重要で, 手引の周知を徹底したい」 としている.

厚労省の手引は 2001 年作成. 「徘徊しないよう車椅子やベッドに体を縛る」 「点滴チューブを抜かないよう手足を紐で縛る」 「行動を落ち着かせるため, 向精神薬を過剰に服用させる」 「自分の意思で開ける事の出来ない居室などに隔離する」 と言った 11 の行為を, 「身体拘束や行動を制限する」 として原則禁止の対象として例示している.

同協会は 15 年 11 月に調査を実施. 約 2 千の病院や介護施設に質問状を送り, 683 施設から有効回答を得たと言う.

このうち 11 行為の一つ以上を行う事があると回答した施設は 450 施設 (66%) に達している.

一般病棟 (77 施設) の中で 「ある」 としたのは 94%, 退院後, 在宅復帰するまでにリハビリなどを提供する 「老人保健施設」 (73 施設) では 47%, 要介護度が原則 3 以上の人が食事や排泄などのケアを 24 時間受けられる 「特別養護老人ホーム」 (75 施設) で 33%, 地域包括ケア病棟など (70 施設) では 99% だった様だ.

私個人的には, 上記の数字を高いと見るか否かは, 判断の別れる処ではないかと思う.

厚労省の手引は, 或る意味 "非現実的な" 理念ではないのか?

私は仕事柄, 各種の介護現場病に出入りする事が多い.

そこで日頃目にしている印象では, 病院や介護施設などでは, 医療費削減の為であろう, 何処も人手不足と言っても過言ではない状態である.

夜勤の看護師や介護担当者は, 一息吐く間もなく 「ナースコール」 で入所者から呼び出される.

或る程度認知症が更新した入所者など, 例えば, 10 分置きにナースコールするのである.

その様な状況下, 介護放棄とは言わぬまでも, ある程度 「ニグレクト (無視)」 したり, 鎮静剤の過剰投与など, 現場的対応を余儀無くされる事は起らざるを得ない様にも思うのである.

これを是認する訳では決してないけれども...

昨夜, NHK で 「私は家族を殺した」 と題して, "介護殺人" が増加している問題を採り上げていた.

介護経験者の 4 人に 1 人が 「介護から解放されたい!」 との想いから, 殺人行為を想起すると言う.

特に, 暴言・暴力など, 周辺症状の出てしまったケースでは, 介護者はその様な衝動を抑えきれなくなる様だ.

介護問題は本当に奥が深い課題である.

Have a nice day!
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