(2358) AI, 癌治療法に助言, 白血病のタイプ見抜く2016/08/10 02:47

膨大な医学論文を学習した人工知能 (AI) が, 診断が難しい 60 代の女性患者の白血病を 10 分程で見抜いて, 東京大医科学研究所に適切な治療法を助言, 女性の回復に貢献していた, と過日日経が報じている.

使われたのは米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米 IBM の 「ワトソン」 である.

東大は昨年からワトソンを使った癌診断の研究を始めており, 東條 有伸教授によると 「AI が患者の救命に役立ったのは国内初ではないか」 との由.

また, 他にも癌患者の診断に役立った例があると言う.

AI は物事を学習し, 考える能力を持つコンピューターのプログラム.

チェスや囲碁などで人間に勝つだけでなく, 今後は医療への本格応用が進展して行く模様である.

女性患者は, 昨年, 血液癌の一種である 「急性骨髄性白血病」 と診断されて医科研に入院し, 2 種類の抗癌剤治療を半年続けたが回復が遅く, 敗血症などの危険も出た.

そこで癌に関係する女性の遺伝子情報をワトソンに入力すると, 急性骨髄性白血病のうち 「二次性白血病」 と言うタイプであるとの分析結果が出た.

ワトソンは抗癌剤を別のものに変えるよう提案して来た.

その結果, 女性は数カ月で回復して退院し, 現在は通院治療を続けていると言う.

東大と IBM は昨年から, 癌研究に関連する約 2 千万件の論文をワトソンに学習させ, 診断に役立てる臨床研究を行って来ているとの事.

医療にも新しい時代が来つつあるのだ.

Have a nice day!
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