(2378) 装着型ロボ, 医療機器に初承認2016/08/30 02:42

厚生労働省は, 足の働きが衰える難病患者の歩行機能を改善する医療機器として, 装着型ロボットの国内販売を承認している.

ロボットの医療応用で, 患者が身に纏う様な製品は初めて.

厚労省は保険適用も検討しており, 政府が成長戦略で重点を置くロボットが医療現場に広がる可能性が出て来たのである.

承認されたのは 「HAL 医療用下肢タイプ」.

全身の筋肉が次第に動かなくなる ALS (筋萎縮性側索硬化症) や筋ジストロフィー, 脊髄性筋萎縮症, 球脊髄性筋萎縮症など 8 つの難病の何れかと診断され, 体重や身長などの条件を満たした患者が対象となる由.

本ブログで以前紹介しているが, 当該ロボットの技術は筑波大教授でサイバーダイン社長の山海 嘉之氏が開発したものである.

病気で歩く機能が低下した患者が下半身に装着する.

太腿などに電極を取り付け, 患者が動こうとした時に脳神経系から発する微弱な信号を検知する.

モーターでロボットが動き, 患者の関節が動き易い様に補助する. 体が歩き方を思い出し, 機能改善に繋がると言う.

ALS や筋ジストロフィーの患者は少しずつ筋肉が衰えて行く.

承認を受けたロボットは, 病院内の施設で患者に使って貰う事を想定しており, 歩く動作を繰り返して病状の進行を遅らせたり, 足の働きを取り戻したりする為のリハビリに用いられる.

国立病院機構新潟病院などでの臨床試験 (治験) では, 患者 24 人が約 3 カ月間で 9 回の歩行運動に取り組み, 何もしない患者に比べて歩ける距離を延ばす事が出来た.

山海社長は 「先ず新潟病院など 8 つの病院に導入したい」 意向を示している.

保険が適用されれば, 今後は脊髄系の病気への対象拡大を目指す計画と言う.

なお, ドイツなど欧州では既に医療機器の承認を受けている.

ドイツでは 1 - 1.5 時間を費やす 1 回の治療で 500 ユーロ (約 6 万 5000 円) 懸かる.

公的医療保険は申請中だが労災保険が使えれば 60 回分が全額カバーされる.

医療機器としてのロボットには内視鏡手術支援用ロボット 「ダヴィンチ」 があるが, 患者が装着するタイプはこれが初めてである.

前例のないロボットを医療機器として承認するには難しさもある.

それでも販売を認めたのは, 難病や高齢化に伴う障害の克服には新薬開発だけに頼っていられないと言う事情があるからだ.

そこで急速に進歩するロボットに白羽の矢が立ったのである.

国も成長戦略でロボットや医療機器の強化を打ち出している.

サイバーダインは, 昨年 3 月, 厚生労働省に医療機器としての承認を申請している.

優先審査の対象となる 「希少疾病用医療機器」 として申請から 9 カ月での承認取得を目指して来たが, 8 カ月で審査が終了している.

Have a nice day!
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