(2519) 精神科への長期入院, 3.9 万人減を目標2017/01/18 03:05

厚生労働省は, 統合失調症などで精神科に長期入院する患者を 2020 年度末までに, 全国で最大 3 万 9 千人減らす目標を決定している.

日本の精神科入院患者数は国際的にも高水準で, 1 年以上の長期入院は 14 年現在, 18 万 5 千人に上っている.

少人数で生活するグループホームなどを整備し, 地域社会で暮らせる人を増やす方針と言う.

長期入院は, 過去の隔離収容政策の影響が一因で, 人権上の問題が指摘されている.

以前にも減らす目標を掲げたが達成出来ておらず, 実現には財源の確保の他, 医療関係者の協力や住民の偏見の解消が必要になる.

厚労省の調査では, 全国の医療機関で精神科に入院している患者は全体で 28 万 9 千人となっている.

このうち, 64% を占める長期入院患者を 20 年度末までに 2 万 8 千 - 3 万 9 千人減らす事を目標にしている.

目標値は, 自治体がつくる 18 年度以降の障害福祉計画に反映させる.

厚労省は患者が社会で安心して暮らせる 「地域包括ケアシステム」 の構築を目指している.

高齢者の介護分野で導入が進む仕組みに倣って, 医療や福祉関係者らが連携出来る協議の場を設け, 患者が自宅やグループホームなどで幅広い支援を受けられる様にする.

また, 効果的な治療薬の普及も進める方針との事.

現在いる長期入院患者の退院を促す他, 新規の患者の入院が長引かない様にして削減目標を実現させたい考えの様だ.

新たに入院する患者のうち, 3 カ月後の退院者数を 69% 以上, 6 カ月後で 84% 以上, 1 年後では 90% 以上とする目標も定めたと言う.

厚労省は 04 年に示した精神医療の改革ビジョンで 10 年間で約 7 万床を減らす目標を掲げたが, 02 - 14 年に減少したのは 1 万 8 千床にとどまっている.

過去の 「隔離収容政策」 には確かに問題が多すぎたけれども, 精神疾患と言うものは極めて俗人的なものであるが故に, 単に 「入院期間」 のみを指標に政策決定を行うのは如何なものであろうか.

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