(2696) 和食, 弱点解消へ減塩進む2017/07/14 03:00

中川 恵一先生 (東大付属病院放射線科准教授) が日経に 「がん社会を診る」 と言うコラムを連載しておられる.

過日, 表題の如く, 和食の効用を説いておられた. ( 以下, 引用)

2013 年 12 月, 和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました.

(1) 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
(2) 健康的な食生活を支える栄養バランス
(3) 自然の美しさや季節の移ろいの表現
(4) 正月などの年中行事との密接な関わり...
の 4 点が評価されました.

和食の特長の一つが, 肉より魚をメインにする点です.

特に, サバやイワシなどの青魚に多く含まれる 「オメガ 3 不飽和脂肪酸」 は血液をサラサラにして心筋梗塞を防ぐだけでなく, 炎症を抑える事で, 肝臓癌を予防する働きもあります.

魚介類の他, 大豆製品や野菜, 果物, 海藻, 茸, 山菜など様々な素材を少しずつ食べる 「多様性」 も和食の特徴です.

この食材の多様性は健康の維持にも重要です.

多くの日本人は, 食物は基本的には安全で, 残留農薬や添加物などだけが危険だと誤解していますが, 天然の食材にも発癌性のある物質は沢山存在します.

その代表が, コメやヒジキに多く含まれ, 天然物質の中でも最も発癌リスクが高いとされる無機ヒ素です.

ハムやソーセージにも発癌リスクはありますし, ジャガイモなどを加熱すれば発癌性のあるアクリルアミドが発生します.

食品のリスクを大きくしない為には同じ食材ばかり食べない事が大原則ですから, 伝統的な和食は発癌リスクの分散にも大いに役立って来たと思います.

そして, 和食の多様性を支える調味料が醤油です.

西洋料理のソースと違って, 素材の持ち味を引き出すのが醤油の良さですが, 16 - 18% 程度の塩分を含んでいる点は要注意です.

胃癌の原因の殆どが幼少期のピロリ菌感染です.

食塩はピロリ菌による炎症を助長して, 胃癌のリスクを高めます.

逆に, ピロリ菌にもともと感染していない人の場合, 塩分を余り心配する必要はないと言えます.

冷蔵庫の普及などで, ピロリ菌の感染率が低下し, 胃癌は大きく減っています.

醤油の出荷量もピークだった 1973 年から 4 割近くも落ち込んでいますが, 減塩醤油の出荷量は逆に右肩上がりです.

和食の弱点も徐々に解消されつつあります.

勿論, 私も減塩醤油派です. (引用終り)

以上, 上記の記事を読んで, 和食の効用というものについて, 改めて考え直す点もあったのではないでしょうか.

Have a nice day!
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