(2797) こころの温かさ・優しさ2017/10/03 02:37

過日, ノンフィクション作家の梯 久美子さんが, 日経夕刊のコラム 「あすへの話題」 に次の一文 (「永 六輔さんのこと」) を寄せていた. (以下引用)

テレビを点けたまま夕食の支度をしていたら, 永 六輔さんの声が聞こえて来た.

見ると, 永さんが港町を歩きながら, 夕焼けについて話をしている.

生前の番組の再放送で, 永さんが全国の夕焼けの名所を見に行くドキュメンタリーだった.

昨年亡くなった永さんに, 私は一度だけ会っている. ある雑誌でインタビューをしたのだ.

もう 20 年以上も前の事になる.

当時の私は駆け出しのフリーライターで, 記事を書いても殆どが無署名だった.

沢山の著名人にインタビューをしたが, 多くの人が, 質問している私ではなく, 同行した出版社の編集者に向って話をした.

まるでそこに居ない様に扱われる事に慣れていたのだが, 永さんは違った.

私の名刺を受け取ると 「珍しい姓だね. 何処の出身?」 と話し掛け, 質問には総て, 私の目を見て答えて呉れた.

取材の数日後, 永さんから絵葉書が届いた. 旅先からで, 「よい記事を書いて下さいね. 宜しくお願いします」 とあった.

嬉しくて編集者に話したら 「きっと皆に出してるんだよ」 と言われた.

その人は, 君が特別って言う訳じゃないからそんなに喜ぶ事はない, と言う意味で言ったのだが, 私は 「出会った人皆に葉書を書くって, 何て凄い人だろう」 と思った.

夕焼けの番組の中で, 永さんは藍染の作務衣を着ていた.

それを見て思い出した. あの日も永さんは藍染の上着を着ていて, たまたま紺色のシャツを着ていた私に, 会って直ぐ, 「梯さんのそれも藍染?」 と聞いて呉れたのだ.

たったそれだけの事だが, あの声の温かさを忘れない. (引用終り)

「出会った人皆に葉書を書く」 永さんが "凄い人" であるのは勿論であるが, 永さんの人となり (思い遣りがあって, 温かく優しいこころ) を見抜いた梯さんも凄い.

彼女がインタビューワーとして優れた資質を備えている証左である.

Have a nice day!
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