(2812) 長生きすれば本当に幸せなのか?2017/10/18 03:18

先般, 日経の 「かがくアゴラ」 欄に, 私の興味を惹く記事が掲載されていた.

それは 「死と人間の尊厳について」 の問題である. (以下引用)

iPS 細胞を宗教は如何捉えているのか.

妙心寺退蔵院 (京都市) の副住職である松山 大耕さんは, そんな視点から iPS が抱える生命倫理の問題について積極的に発言している.

# なぜ iPS 細胞に興味を持ったのですか? :

お寺を継ぐ長男として生まれましたが, 高校卒業後は東京大学の文科 2 類 (経済) に進学しました. 3 年生から農学部に移り大学院に進学. 農業政策を研究し, バイオテクノロジーにも興味を持ちました.

大学院修了後, お寺を継ぎました.

それでも科学に興味があり, お寺が絡む宇宙学や物理学のイベントを京都大学と開催したり, 10 月には京大 iPS 細胞研究所の研究者も参加して生命倫理の問題を語る会も開いたりしました.

京大の山中 伸弥教授とも年に数回は会って話し合っています.

# 宗教と科学技術の関係を如何考えますか? :

宗教は新しいテクノロジーに積極的に関るべきです.

出来る事とやっていい事は違います.

やっていい事を決めるのは政治の役目で, その規範意識に影響を及ぼすのが宗教家でしょう.

ローマ法王も新しい科学技術について発言しています. 日本では仏教の役目で, バチカンの様に積極的に発言すべきでしょう.

未だ仏教界からの発言は十分と言えませんが, 40 歳以下の若いお坊さんには宗派を問わずサイエンスに関心が高い人が多くいます.

宇宙と仏教の経典との共通点や, 脳科学からみた修行の意味などをインターネットで情報交換しています.

将来は全日本仏教会に生命倫理や新しいテクノロジーを研究出来る部門を設けたいと考えています.

# iPS 細胞の問題は何ですか? :

新しい治療が出来ると言う情報ばかりで, 危険性に踏み込んだ議論が足りないと感じます.

特に山中教授がノーベル賞を受賞してから批判し難い雰囲気がある様に見えます.

iPS 細胞によって画期的な治療が生まれる一方で, 格差や差別が生まれる可能性があります.

研究の進歩が余りに速過ぎて, 社会の人がよく知らないまま寿命を延ばしたり生殖細胞を作ったりする新しい治療がいきなり出て来る事になりかねません.

ブッダは 「人生は苦」 だと説いています.

命が延びる事で新たな苦も生まれて来ます.

長生きすれば本当に幸せなのでしょうか.

人間の尊厳が保たれるのでしょうか.

「死ねない苦しみ」 も生まれて来ると思います.

iPS 細胞を扱う研究者も自己満足に陥らずに, そうした視点を持つ必要があります. (引用終り)

人間としての尊厳が保たれてこそ! の人生であり, 幸せであると思うのだが...

Have a nice day!
--------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.