(2866) 『見落し』 に潜む医療の闇2017/12/11 02:34

日経に 「私見卓見」 と言うコラムがあるが, 過日, 東京大学病院医療安全対策センター長の中島 勧先生が表題の意見を寄せておられる. (以下引用)

大学病院で癌の見落しによる患者の死亡が相次いで報告されている.

単純なミスに見えるが, こうした診断に関連するエラーの原因を掘り下げてみると, 医療に潜む深い闇が見えて来る.

名古屋大病院と東京慈恵会医大病院のケースでは, 病院全体として癌の疑いを診断出来なかった訳ではない.

何れもコンピューター断層撮影装置 (CT) で検査し, 画像診断の専門家である放射線科医が 「肺癌の疑いがある」 とする報告書を主治医に伝えていた.

処が, 主治医は, 検査のきっかけとなった肝硬変など別の病気の治療をして退院させていた.

その後, 患者が体調不良などで再び検査を受けた際に見落しに気付いたものの, 最早十分な治療が出来ない状態だった.

何れも報告書の見落しだった.

過去の事例を検証した両病院では, 他にも同じ様な見落しが判明し, 医師同士の情報共有の在り方を見直すなど再発防止策を打ち出した.

人口当りの CT 保有台数が世界一の日本では 「取り敢えず画像検査する」 と言う文化がある.

患者にとってみれば, CT を撮って貰えれば安心と感じられる為か, 「念の為」 としてしばしば撮影されている.

処が, 画像検査は血液検査の様に結果が数値化されない為, 画像を読む医師に適切な診断能力がなければ診断に役立たない可能性がある.

重要なのは撮影する事に加えて, 正しく診断し, 治療に繋げる事である.

放射線科医が書いた報告書を見落すだけでなく, 撮影を指示した医師が異常に気付けない事もある.

これは, 既に得られている医療情報 (診断) を必要時に患者が利用出来なかった点で, 診断を誤る 「誤診」 と同根の問題だ.

両大学病院の公表は, 日常的な検査結果の見落し自体が見落とされている可能性がある, と言う重大な問題提起である.

余りに根が深く, 問題視する事は, パンドラの箱を開けたが如く医療界が混乱に陥る危険性さえある.

こうした診断に関連したエラーについては, 1999 年に医療事故の実態を白日の下に曝した報告書 『人は誰でも間違える』 (邦訳題) を纏めた米国医学研究所が新たな報告書を公表し, 世界的に注目されている.

見落しの事実を公表した大学病院の問題提起を改善に繋げる為にも, 日本も深い闇にメスを入れて取り組むべきだ. (引用終り)

なかなか根深い問題なのである.

本日のカット写真提供 : 下平宏氏 (紅葉を愛でるエナガ)

Have a nice day!
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