(2873) 移植臓器, 別の動物で作製2017/12/18 01:53

東京大学の中内 啓光教授 (米スタンフォード大教授) と山口 智之特任准教授らは, ラットの体内でマウスの iPS 細胞から膵臓を作り, この膵臓の細胞を移植して糖尿病のマウスを治療する事に成功している.

異種の動物で臓器を作り, 治療効果を確認出来たのは世界で初めてと言う.

人の臓器をブタなどの体内で作って移植する再生医療実現の足掛りになる.

実験には, 膵臓を作れない様に遺伝子操作したラットを利用している.

ラットの胚に, マウスの iPS 細胞や胚性幹細胞 (ES 細胞) を注入すると, 誕生したラットにはマウスの細胞から育った膵臓が出来た.

この膵臓を取り出し, インスリンなどを分泌する膵島という組織を, 糖尿病のモデルマウスに移植した.

移植後 1 年間, 血糖値が正常な値を維持した. 膵島の働きにより, 糖尿病の症状が改善したと確認出来た.

膵島はラットの血管などの細胞を僅かに含むが, 免疫抑制剤を殆ど使わなくても, 強い拒絶反応は見られなかったと言う.

研究チームは, 2010 年にも同様の手法で今回とは逆となるマウスの体内でラットの膵臓を作っている.

然し, この時は, 出来た膵臓のサイズが小さく, 十分な量の膵島を確保出来なかった.

今回, 大きさがマウスの 10 倍程度あるラットの体内で出来たマウスの膵臓は, ラット並みの大きさに育った.

マウスとラットは, 種としては人とチンパンジー程度に遠い関係にあると言う.

山口特任准教授は 「異種の動物で作った臓器を治療に使う有効性を示せた」 とコメントしている.

今後は人での応用を目指し, ブタの体内でサルの臓器を作らせるなどの研究を進める方針と言う.

ただ, 動物によって細胞の性質は異なる. 「技術的に可能か如何かは試してみないと分らない」 (同特任准教授) と言う.

順調に進めば人への応用も視野に入るが, 日本では現在, 倫理的な問題があるとして, 国の指針で動物の体内で人の臓器を作る実験は禁止されている.

この為, 中内教授らは米国で人の臓器を作る研究を実施する事も検討していると言う

今後の進展が興味ある研究である.

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