(2938) 終末期 「飲食拒否 (VSED)」2018/02/21 02:12

患者が自らの意思で飲食せず死を早めようとする行為は 「飲食拒否 (VSED = Voluntarily Stopping Eating and Drinking)」 と呼ばれる.

即ち, VSED は, 自力で食べる事が可能にも拘らず, 点滴や飲食を拒む行為なのである.

日本緩和医療学会の専門家グループによる実態調査によると, 終末期医療に携わる医師の約 3 割が, この VSED に直面した経験がある事が 判明している.

VSED は苦痛から逃れたいとの思いが原因とみられるが, 何処まで患者の意思を尊重するか, 欧米に比べ日本では議論が進んでいないと言う.

調査は 2016 年 9 月から 11 月, 同学会と日本在宅医学会の専門医計 914 人に質問票を郵送する形で実施し, 571 人が回答している.

VSED と言う言葉を知っていると答えたのは 301 人 (53%). このうち 185 人 (回答者の 32%) が VSED の終末期患者を実際に診た事があったと言う.

経験した VSED 患者の数は 「1 - 5 人」 が 168 人, 「6 - 9 人」 が 8 人, 「10 人以上」 が 9 人だった.

調査を主導した緩和ケア専門の 「しんじょう医院」 (神戸市) の新城 拓也院長は 「こんなに経験者がいるとは驚きだ」 とコメントしている.

一方, 米国看護師協会は 17 年, 患者には VSED の権利があり, その意思を尊重すべきだとの声明を発表している.

欧米では医師が VSED を容認すべきか, 安楽死とともに倫理的な観点などから議論されているが, 医師が VSED を容認した場合, 違法性があるかなど結論は出ていないと言う.

新城院長によると, 日本では VSED について医療界でも余り認識されておらず, 議論が進んでいないとの事.

新城院長は 「日本でも患者の 『死ぬ権利』 に如何向き合い, 何が出来るか議論を重ねる必要がある」 と強く主張している.

処で, 私は, 延命治療は勿論, 可能であれば, 終末期に VSED を選びたいと考えている一人である.

問題は, 終末期を迎えた時, 自分の意思を働かせる事が出来るだけの認知能力が残っているか否かなのであるが...

Have a nice day!
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