(2972) 赤ら顔で深酒, リスク高める2018/03/27 02:37

昨日に引き続き, 中川 恵一東大付属病院放射線科准教授の日経連載コラム 「がん社会を診る」 から引用させて戴く. (以下引用)

お酒は百薬の長と言われますが, 飲酒は精々 1 合までです.

食道癌, 咽頭癌, 肝臓癌, 乳癌, 大腸癌など, 多くの癌の発症リスクを高めます.

例えば日本人男性の場合, 日本酒を毎日 4 合飲むと大腸癌になるリスクは 3 倍になり, 同 3 合でも癌全体の罹患リスクは喫煙と同じ 1.6 倍になります.

飲酒しながら喫煙するのは最悪の自殺行為で, 食道癌のリスクは 30 倍にも上ります.

特に, 飲むと顔が赤くなる人が深酒をすると, 食道癌や咽頭癌になる危険が非常に高まる事を知る必要があります.

お酒に含まれるエタノールは肝臓で 「アセトアルデヒド」 に分解されます.

アセトアルデヒドには発癌性がありますが 「2 型アセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH 2)」 が酢酸に分解して, 解毒しています.

ALDH 2 の遺伝子には, 分解力の強い型 (正常型) と, 乏しい型 (欠損型) があり, 両親からどちらかを受け継ぎます.

両親からともに欠損型を受け継いだ 「完全欠損型」 は日本人の約 5% に見られ, お酒が全く飲めない下戸です.

飲めませんから, 発癌も問題になりません.

共に正常型を受け継いだ場合, アセトアルデヒドが蓄積し難いので, 癌の危険は少ないです.

ただ, アルコール中毒が多い傾向にあります.

問題は両親から受けた遺伝子のうち, どちらか一方が欠損型である

「部分欠損型」 で, 日本人の約 45% を占めます.

このタイプの人はアセトアルデヒドを分解する力が十分ではないので, 大量に飲むとアセトアルデヒドが体内に溜ります.

これが血管を拡張させて顔を赤くすると同時に癌のリスクを高めます.

大量の飲酒を続けると食道癌のリスクは 95 倍になると言うデータもあります.

英ケンブリッジ大学の研究チームは, アセトアルデヒドによる 「造血幹細胞」 の DNA の切断と染色体の不安定性などのメカニズムを初めて実験動物で解明し, 英科学誌ネイチャーに 1 月論文発表して話題となりました.

癌化との関係が窺えます.

ALDH 2 の欠損型はアジア人の一部にしか見られません. この論文は赤い顔で深酒を続ける日本人への警鐘だと思いました.

ご用心を. (引用終り)

部分欠損堅の多い日本人にとって, 大量に飲酒するのは, 赤信号を自らのリスクで渡っている様なものなのである.

Have a nice day!
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