(3042) 免疫力アップで癌予防2018/06/05 02:30

以下は, 本欄で何度か紹介している中川 恵一東大付属病院放射線科准教授の 『がん社会を診る』 と言う日経の連載コラムからの引用である.

戦前と戦中, 日本人の死因のトップは結核でした.

然し, 2016 年の死亡数は 1889 人で, 死因順位では 28 位に過ぎません.

結核による死亡が減ったのは 「ストレプトマイシン」 の様な抗生物質が普及したからではありません.

栄養状態が改善して免疫力がアップし, 結核に罹る人が激減した事が主因と思います.

結核に代り, 戦後暫く日本人の死因のトップだった脳卒中も 1970 年代以降は減少に転じます.

これも, 喫煙率の低下, 減塩などの他, 十分な動物性タンパクの摂取によって血管が強くなった事が背景にあると思います.

結核と脳卒中は 「途上国型」 の病気と言えるでしょう.

一方, 癌死亡は戦前から現在に至るまで一貫して増え続けています.

81 年には死因のトップに躍り出て, 16 年の死亡数は 37 万 2986 人と, 85 年の約 2 倍になりました.

現在, 癌は死因全体の 3 割を占め, 2 位の心疾患の約 2 倍, 3 位の肺炎の約 3 倍にも上ります.

癌の急増の理由は急速な高齢化にあります.

癌細胞は遺伝子の 「経年劣化」 によって, 正常な細胞が不死化したものです.

毎日体内に発生する癌細胞は年齢とともに増えて行きますが, 免疫細胞が未然に撃退しています.

これを 「免疫監視機構」 と呼びますが, 免疫力も年齢とともに衰えて行きます.

サッカーに例えればキックオフとともに相手の選手の数が増え, 見方の守備力が疲弊して行く様なものです.

癌は一種の老化と言える病気ですから, 年齢とともに急増します.

男性は生涯で癌になる人の割合は 6 割を超えますが, 55 歳までは 5% 程度に過ぎません.

然し 65 歳までだと 15%, 75 歳まででは 3 割以上となります. 定年前後から癌のリスクが急増します.

国民病とも言える癌ですが, 実は, 年齢構成を揃えた 「年齢調整死亡率」 は 90 年代後半から減り続けています.

尤も人生 100 年を見据えて長く働く時代ですから, 「高齢化の影響を除けば, 昔より癌死亡は減っている」 と言ってもナンセンスでしょう.

昔より遠くなったセカンドライフをハッピーにする為にも, 癌を防ぐ事が大事になっています.

Have a nice day!
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