(3055) 統合失調症男性の万引き, 措置入院は 「不当」?2018/06/18 02:36

過日, 次の様な日経の記事が面留まった.

弁護士らで作る 「医療扶助・人権ネットワーク」 (東京・新宿) は, 国連恣意的拘禁作業部会が, 統合失調症の男性を精神科病院に強制入院させたのは不当とする意見書を採択した事を明らかにしている.

意見書は, 男性への措置は法的根拠を欠き, 障害への差別だと指摘. 日本政府に対して男性への補償や情報開示を求めた.

同ネットワークによると, 精神医療での拘束を巡り, 国連が日本国内の事例で意見書を出すのは初めてとの由.

4 月 19 日付で採択されている. 意見書に法的拘束力はないが, 尊重する義務があるとの事.

意見書によると, 男性は 50 代で昨年 7 月, 東京都内の飲食店でコーラ 1 本を盗もうとしたとして窃盗未遂容疑で警察に逮捕された.

その後, 精神保健福祉法に基づき都内の精神科病院に措置入院となり, 更に家族らの同意が必要な 「医療保護入院」 となった.

入院は約 6 カ月続いた.

男性から相談を受けた同ネットワークが昨年 10 月, 顕著な問題のある強制入院事例として国連に申し立てた.

同ネットワークは, 意見書に基づく対応を実施するよう厚労省に申し入れた.

同ネットワークの内田 明事務局長は 「万引きの動機に精神障害は関係ない. 本来は刑事手続きで処分される事案なのに措置入院を適用するのは差別的で, 現場での運用改善を求めたい」 と評している.

以上の様な記事であったが, 精神障碍者による悲惨な事件が起っているのも事実である.

社会的に如何対応すべきなのか, 判断の難しい問題である.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (コアジサシダイビング)

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