(3091) 行動次第で 「運命」 変えられる2018/07/24 03:22

時々, 本欄に引用させて戴いている中川 恵一東大付属病院放射線科准教授の連載コラム 「がん社会を診る」 で, 先生は次の様に述べておられる.

「癌には放置して良いものと, 最初から転移があって治らないものがあり, どちらかは運命的に決まっている」 と言う考えの人がいます.

こうした 「癌運命論」 は, 癌になる事も, 癌で死ぬ事も自分の努力では変える事は出来ないと言った一種の諦観と言えるでしょう.

然し, 癌の原因のうち遺伝は 5% に過ぎませんから, 癌は 「運命」 ではありません.

生活習慣の改善で発症リスクを半分程度まで下げられますし, 癌検診によって早期に発見出来れば 95% が治ります.

癌は自らの行動でリスクをコントロール出来る病気と言えます.

日常の問題に対する対処の仕方と, 癌発症や癌死亡との関連を調べた大規模調査の結果でも, この事が実証されました.

研究では, 癌に罹患した事がない全国の 50 - 79 歳の日本人約 5 万 5 千人に自記式のアンケートを行い, 「日常の問題や出来事に対する対処の仕方」 を尋ねました.

約 10 年の追跡期間中に 5241 人に癌が発症し, 1632 人の癌死亡が確認されました.

対処の仕方を 「計画を立てて実行する」 「誰かに相談する」 と言った 「対処型」 と, 「自分を責める」 「避けて他の事をする」 と言った 「逃避型」 に大別して, 回答と癌発症, 癌死亡との関連が検討されました.

その結果, 対処型の行動をとる人は有意に癌死亡が少なかった事が分りました.

対処型行動をとる人では, 早期の癌が有意に多く, 検診で癌が発見されたケースが多かった事も確認されました.

対処型の行動をとる人は, 逃避型の人に比べて, 検診を積極的に受ける事で癌を早期に発見出来, 結果的には癌死亡のリスクを減らす事が出来たのだと考えられます.

癌は, 少しの知識とそれによる行動の変容で運命を変える事が出来る病気です.

先ずは癌を知る事が非常に大切ですが, 積極的に行動する事も必要です.

2007 年に閣議決定された国の 「がん対策推進基本計画」 では 「癌を知り, 癌と向き合い, 癌に負ける事のない社会」 を目指すとしています.

この精神を一人でも多くの国民に届けたいと思っています. (引用終り)

中川先生によると, "癌はコントロール可能な治せる病気" なのである.

とても勇気づけられる言葉ではないだろうか.

Have a nice day!
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