(3127) iPS で創薬, 初の治験2018/08/29 02:08

先日, 京都大学 iPS 細胞研究所の戸口田 淳也教授らの研究チームは, 筋肉の中に骨ができる難病 「進行性骨化性線維異形成症 (FOP)」 の治療薬候補を iPS 細胞を使って発見し, 近く臨床試験 (治験) を開始する, と発表している.

iPS 細胞を使った創薬の治験は世界で初めてとなる由.

再生医療と並んで iPS 細胞の柱の一つである創薬の分野が本格的に動き出す事になる.

治験は京大付属病院などで実施する予定で, 同病院の審査委員会は計画を既に承認している.

近く実際の患者に候補薬の投与を始めて, 安全性や効果を確かめる.

投与するのは既存薬の 「ラパマイシン」 で, 臓器移植後の拒絶反応を抑える免疫抑制剤として使われている.

研究チームは FOP 患者の細胞から作った iPS 細胞を様々な細胞に変えて病態を再現.

そこに候補薬を投与する実験などをして, 約 7000 種の物質の中からラパマイシンに絞り込んだと言う.

マウスに投与する実験では, 病気の進行を遅らせる効果があった由.

FOP は筋肉などの組織の中に骨が出来る難病で, 200 万人に 1 人の割合で発症する.

国内の患者は約 80 人とされる. 根本的な治療薬がなかった.

戸口田教授は記者会見で 「ラパマイシンは既に使われている薬. 患者に大変喜んで戴けるのではないか」 とコメントしている.

iPS 細胞の応用では, 体の組織を作って移植する再生医療と創薬が二本柱として期待されている.

再生医療では理化学研究所などが iPS 細胞から目の細胞を作り, 目の疾病の患者に移植する研究を既に進めている.

心臓病や脊髄損傷でも人での再生医療を目指す研究が進んでいる.

もう一方の創薬応用では, 今回が初めて人に投与する治験となる.

iPS 細胞の開発から約 10 年が経ち, 創薬でも人に投与する段階に達した事になる.

京大の別のチームは, 難病の ALS (筋萎縮性側索硬化症) に慢性骨髄性白血病の薬が効果を発揮する事を見付けている.

京大 iPS 細胞研究所は武田薬品工業と ALS や糖尿病, 癌, 心不全, 筋ジストロフィーなどの分野で, iPS 細胞を使う創薬の共同研究をするなど企業を巻き込んだ動きも進んでいる.

遺伝子の異常などを原因とする難病に特に応用が期待される.

患者の細胞をもとに作った iPS 細胞からは, 病気を引き起こす細胞を作り出す事が出来る.

患者の体内を再現出来る事で, 新薬を試す実験が進む.

京大 iPS 細胞研究所長の山中 伸弥教授は 「ヒト iPS 細胞が出来て 10 年の節目に, 治験開始の発表を出来る事を嬉しく思う」 とコメントしている.

Have a nice day!
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