健康小話

京都大学の斎藤 通紀教授と京大 iPS 細胞研究所の小島 洋児特定拠点助教らは, 人間の iPS 細胞が精子や卵子のもとになる細胞に変化する際に必要な遺伝子の働きを解明している.

人の生殖細胞が出来る過程の解明に繋がる他, 不妊症などの治療にも役立つと言う.

研究ﾁｰﾑは iPS 細胞から精子や卵子のもとになる 「始原生殖細胞」 を作る事に成功している.

けれども, その詳細な仕組みや関係する遺伝子などは判っていなかったのである.

狙った遺伝子を効率よく操作するｹﾞﾉﾑ編集技術を使って, 始原生殖細胞に成長するのに必要な遺伝子を探した.

その結果, iPS 細胞から腸の細胞に変化する際に働く 「EOMES」 など 4 つの遺伝子を特定した.

4 つの遺伝子の働きはﾊﾞﾗﾊﾞﾗだが, それらが組み合わさる事で生殖細胞への成長を促すと言う.

ﾏｳｽの場合, 生殖細胞に変化するのに 「T」 と言う遺伝子が欠かせないが, 人では不要だと判った.

人とﾏｳｽでは不妊の仕組みなどが違う為, 斎藤教授は 「人の細胞を使う研究が重要だ」 と話している.

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