(3320) ヒトの大腸粘膜をマウス体内で再現2019/03/10 02:28

慶応義塾大学の佐藤 俊朗准教授と杉本 真也助教らは東京医科歯科大学と共同で, ヒトの大腸の粘膜をマウスの腸内で再現する手法を開発したと言う.

大腸のもとになる幹細胞をヒトの組織から取り出して培養し, マウスの腸内に移植する手法である.

潰瘍性大腸炎の患者に大腸幹細胞を移植する再生医療や, 大腸癌が発症する仕組みなどの研究に役立つとの事.

研究チームはヒトの大腸幹細胞を立体培養して 「ミニ腸」 を作り, マウスに移植した.

成長した粘膜ではヒトと同様の凹凸構造や粘液を再現出来ている事が判明している.

また, 遺伝子を自在に改変するゲノム編集技術を使った詳しい解析により, 幹細胞が粘膜に育つ過程も観察出来た由.

チームは大腸に慢性の炎症が起こる潰瘍性大腸炎の患者から正常な大腸幹細胞を採取し, 患部に移植する再生医療を目指している.

マウスの実験で, ヒトの粘膜は 10 カ月以上の長期に亘って定着した為, 再生医療の実現可能性が高まったとみているとの事.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (オオハクチョウ北帰行間近 ②)

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