(3326) iPSで脊髄治療2019/03/16 03:38

厚生労働省の専門部会は, iPS細胞を使って脊髄損傷を治療する慶応義塾大学の臨床研究計画を承認している.

実現すれば, iPS 細胞から作った神経のもとになる細胞を患者に移植し, 機能改善に繫げる世界初の臨床研究となる.

今年夏にも開始される予定となっており, 目や心臓, 脳の神経, 血小板に続き, 実際に患者に移植する再生医療の研究が広がっている.

計画では脊髄の損傷から 2 - 4 週間が経過し, 運動などの感覚が完全に麻痺した 18 歳以上の患者 4 人が対象となる.

京都大学 iPS 細胞研究所が備蓄する他人の iPS 細胞から神経のもとになる細胞を作り, 患者 1 人当り 200 万個を損傷部に注射で移植する.

慶応大の岡野 栄之教授と中村 雅也教授らのチームが実施する.

移植から 1 年かけて安全性や効果を確認して行く. 移植と共にリハビリも行い, 手足などの運動機能の改善を目指す.

他人の細胞を移植するので拒絶反応を抑えるため免疫抑制剤を使う.

脊髄損傷は怪我や事故などで脊髄が傷付き, 体を動かす神経に脳からの命令を伝える事が出来なくなり, 手足の麻痺などが起こる.

国内患者は毎年約 5000 人が新たになっており, 延べ 10 万人以上と言われる.

事故で若いうちから車椅子生活となる場合も多いが, これまでの処, 損傷部位を完全に修復する治療法はない.

今回の計画は, iPS 細胞を使う再生医療の中で 「本丸」 とも位置付けられるものである.

脊髄は神経の状態を再現する実験が難しくて研究し難い事から, 脳と並んで創薬が進み難い領域である.

iPS 細胞の登場で, 神経細胞を補う再生医療ならば運動機能を改善出来るのではないかと期待を集めている.

因みに, 岡野教授らのサルに移植する実験では, 歩けるように回復させる事に成功している.

岡野教授と中村教授は, 慶応大発ベンチャー, ケイファーマ (東京・港) を 16 年に設立.

今回の臨床研究で安全性などが確認出来れば, 効果をより詳細に調べるための臨床試験 (治験) の実施など, 実用化に向けた次の段階に進める計画と言う.

一般的な治療としての普及を目指している.

iPS 細胞を使う再生医療は臨床応用を目指す計画が相次いでいる.

移植第 1 号は, 理化学研究所などが 14 年に目の難病患者を対象に実施した.

18 年には, パーキンソン病患者の脳に神経細胞を移植する京都大の治験で患者に移植している.

Have a nice weekend!
--------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.

コメント

トラックバック