(3341) 癌早期発見へ新技術相次ぐ2019/03/31 02:57

癌の早期発見に繋がる新技術が相次いで登場している.

日立製作所は, 国内で初めて, 尿で乳癌や大腸癌を発見する技術を確立している.

また, 島津製作所も人工知能 (AI) を活用して癌を 2 分で判別出来る装置を開発している.

癌の治療に懸かる医療費は世界で増加している.

欧米勢も癌の早期治療技術に注力しており, 世界的な開発競争に拍車が掛かっている.

日立の新技術は, 尿に含まれるアミノ酸や脂質の中から, 癌の目印となる約 30 種の物質 「バイオマーカー」 を解析して大腸癌や乳癌を見分けるもの.

自宅で採取した尿を検査機関に送って解析を行なう.

2018 年度から実証実験を行なっている. 従来は医療機関で血液を採取して検査する必要があった.

一方, 島津は患者から採取した細胞を分析し, 癌を判定する 「病理検査」 で AI を活用する.

専用装置で細胞の構成物質を分析し, AI で癌を判別する.

従来は 30 分懸かっていた検査時間を 2 分に短縮出来, 肝臓や腎臓など幅広い癌に対応可能で, 専用装置を 20 年にも発売する予定.

東レも血液から 13 種類の癌を検出する検査薬を 20 年を目処に発売する予定と言う.

バイオマーカーを特殊なチップで検出するもので, 乳癌では 94% 以上の確率で検出出来ると言う.

費用は一般的な癌検査の 5 分の 1 の 2 万円程度を想定している由.

また, 癌の早期発見技術は欧米を中心に開発が顕著である.

遺伝子解析の世界最大手, 米イルミナは血液検査で発症前に癌を見付ける技術を開発.

米マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏らも出資し, 19 年までのサービス開始を目指していると言う.

スイスの製薬大手ロシュは血液から癌の種類を割り出す試薬の開発に注力している.

厚生労働省によると, 国内の癌治療費は 15 年度に 3 兆 5889 億円で, この 10 年で約 1 兆円増加している.

Have a nice weekend!
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