(3455) 認知症改善, ICT で2019/07/23 04:14

東京都は ICT (情報通信技術) を活用し, 認知症の症状を改善する事業に取り組んでいる.

症状を数値やグラフで可視化し, 家族や介護職員などで情報を共有するプログラムを外郭団体が開発している.

区市町村に補助金を出し, 導入する介護事業者を募り, 急速に高齢化が進む 25 年までに, 都内全域に取り組みを広げる計画と言う.

東京都医学総合研究所 (東京・世田谷) が認知症ケアに実績のあるスウェーデンを参考にプログラムを開発したのである.

介護関係者がタブレットなどから専用サイトにアクセスし, 徘徊など患者の症状の頻度, 重症度を記録. 職員や家族がグラフなどで情報を共有しケア計画を練る.

具体的には, サイト上で認知症の患者について 「突然怒りを爆発させるか」 など約 90 の質問に, 「はい」 「いいえ」 を選択する.

入力した回答に応じて 「興奮」 「不安」 「幻覚」 など 12 項目について重症度が自動で数値化される.

その特徴を基に改善策を介護現場のチームで議論, 実践する.

例えば, 興奮の数値が高く入浴を拒否する患者の場合, リラックスした状態で誘う方法を探る.

家族から患者の趣味を聞き取り, 好きな音楽を流し事前に歓談するなど知恵を出し合う.

また, 不安に襲われ夜間などの外出を求める患者には, 職員が付き添うなど, 落ち着いた環境で過ごせる様配慮する.

重症度は定期的に計測し効果を検証. ノウハウを蓄積し症状の改善に繋げる.

介護事業者は区市町村を通じて募集する. 募集に懸かる経費や, プログラムに精通した人材の研修費として 900 万円を上限に区市町村に補助する.

団塊世代が 75 歳以上になる 25 年までに多摩地域を含め, 都内全域に事業を普及させる方針と言う.

認知症の症状を科学的に改善出来れば, 介護職員だけでなく家族の負担も減らせる.

16 年時点で要介護・支援認定を受けている都内の高齢者のうち, 認知症の症状を持つのは約 41 万人. 都の試算では 25 年には約 56 万人と 1.4 倍に増える. 65 歳以上人口に占める割合も 2 割に近づき一層の対策が必要になる.

国は認知症対策の総合的な国家戦略 「新オレンジプラン」 を 15 年に策定し, 住み慣れた地域で生活出来る環境の整備を柱に位置付けた.

ただ, 介護の担い手が不足する中, ベテランだけでなく経験の浅い職員でも認知症患者に対処出来る方法が求められる.

都医学総研の西田 淳志プロジェクトリーダーは 「従来の認知症ケアは症状を文字情報で管理し客観的な効果が分り難かった」 と指摘. 「グラフなどで可視化する事で職員の情報共有やモチベーションの向上に繋がる」 とコメントしている.

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