(3503) 心臓細胞再生, iPS 不要, 遺伝子導入の新手法2019/09/09 02:58

筑波大学の家田 真樹教授らは, iPS 細胞を使わず心臓細胞の再生に繋がる新しい手法の開発に成功している.

心臓病患者の体内に特定の遺伝子を入れ, 正常な心筋細胞を作るのである.

未だ基礎研究の段階だが, 臨床研究が近く始まる iPS 細胞を使う心臓病治療に比べて, 簡単で安価な再生医療になる可能性がある.

5 - 10 年後の臨床応用を目指すと言う.

心筋梗塞などの病気では心筋細胞が減る一方, 心臓の形などを保つ 「線維芽細胞」 と言う拍動しない細胞が増えてしまい, 心臓の血液を送る働きが低下する.

症状を改善するには心筋細胞を増やす必要があるが, 再生能力はない.

家田教授らは, 心筋細胞が線維芽細胞から作れないか研究を試みた.

マウスの線維芽細胞に 58 種類の遺伝子を導入した処, 背骨を作るのに関わる 「Tbx 6」 と言う遺伝子を入れた場合だけ心筋細胞が得られる事が判明した.

また, ヒトの iPS 細胞にこの遺伝子を導入しても心筋細胞の素になる細胞が作れたと言う.

この方法を使えば, 患者の心臓にカテーテル (細い管) で遺伝子を導入し, 心臓にある線維芽細胞から心筋細胞を直接作り, 病気を治療出来る可能性がある.

iPS 細胞を使う治療の場合, 患者の体外で心筋細胞を作ってから体内に戻すが, その必要はない事から, 胸を開く様な手術が不要にもなる.

家田教授は 「iPS 細胞の課題を解決出来る可能性がある」 とコメントしている.

iPS 細胞など万能細胞を使わず, 患者の体内で病気の治療に繋がる細胞を直接作り出す技術は 「ダイレクトリプログラミング」 と呼ばれ, 新たな再生医療として注目が集まっている.

iPS 細胞を介さずに目的の細胞を直接作れる為,治療前の準備が簡単. 拒絶反応や癌化のリスクが低いなど利点もあり, 九州大学や京都府立医科大学でも研究成果が相次いでいると言う.

新技術について, 心臓の再生医療を研究する木村 航・理化学研究所チームリーダーは 「将来は (iPS 細胞などとの) 併用による相乗効果が期待出来る」 と評価する一方, 「不整脈のリスクや心機能回復の効果, 継続性など, 安全性や有効性について今後検討する必要がある」 とも指摘している由.

国内で心筋梗塞など心疾患の患者は 100 万人を超えており, 死因の 2 割と悪性新生物 (癌) の 3 割に続いている.

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (アオアシシギ)

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