(3558) 疾患の中でも自分を失わず - ”リカバリー”2019/11/03 02:07

今日は, 認知行動療法研修開発センターの大野 裕先生が日経に連載しているコラム 「こころの健康学」 から, 下記に引用したい.

先日, 私の恩師のアーロン・ベック先生所縁の専門家が集まる会議に出席した.

ベック先生は認知行動療法と呼ばれる精神療法を開発した世界的に知られた精神科医で, 今年で 98 歳になる.

高齢になっても今なお先頭に立って研究を続けている.

今回も, 本会議は勿論の事, 世界各地の代表者の意見交換会や懇親会など, 総てに出席していた.

ただ, 身体はもう無理が利かなくなっている. 目は殆ど見えないし, 自分の足で立つ事も出来ない.

会った時には, 拳を軽く突き合わせるグータッチで挨拶をして, 大声で話をしなくてはならない.

それでも頭が働くうちは, その頭を使って社会に貢献するのだとベック先生は言う.

これはまさに, 精神医学でいうリカバリーと言う考え方だ.

精神医学が発展して来たと言っても, 精神疾患の本態を解明するには至っていない.

人の悩みは複雑で, 根本治療が解るまでには未だ時間が懸りそうだ.

そうした状況では, 所謂, 症状や悩みを抱えながらも, 自分らしさを失わないで, 持っている力を発揮出来る様にするのが大事になる.

それがリカバリーだ.

9 月末には精神疾患を持つ人たちが中心になって全国リカバリーフォーラムが開かれた.

ベック先生もまた自分自身がリカバリーの考え方を実践しているのだが, その為にはアスピレーションが大事だと言っている.

夢, 希望, 情熱といった意味だ.

これは, 精神疾患や身体疾患を持つ人だけでなく, 今を生きている総ての人に大事な考え方だと私は考えている. (引用終り)

然しながら, 「疾患の中でも自分を失わない」 事は, 言うは易し, 行うは難し, なのである.

例えば, 癌を宣告されて, 自分を見失ってしまう人は枚挙に暇が無い.

余程の心懸けと努力とを要するのである.

Have a nice weekend!
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