(3606) 放射線治療は新時代に2019/12/21 02:39

今日は, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用である. (放射線治療の最新状況が判る.)

理想的な放射線治療とは, 癌細胞にだけ放射線を集中させる事です.

これが完全に実現出来れば, 正常組織に何ら悪影響を与える事なく,
癌病巣に無限量の放射線を照射する事が出来ます.

副作用はゼロで, 100% の確率で癌を消滅させる事が可能となる訳です.

放射線治療の歴史は, この理想に近づく為の努力の積み重ねでした.

この面での技術開発は日本が世界をリードして来ました.

高精度の放射線治療を実現する為には, 照射直前に病巣の位置を正確に計測し, 位置の誤差なく照射する必要があります.

私は, コンピューター断層撮影装置 (CT) を放射線治療室に設置して, 高い精度の位置決めを可能とする世界初のシステムを開発し, 1987 年に国際会議で報告しました.

更に, 放射線治療装置 (リニアック) の治療ビームを, 用いた CT で位置決めするシステムを世界で初めて患者に使い, 1996 年に医学博士論文に纏めました.

こうした先端的なシステムは世界中の研究者の注目を集め, 見学者が絶えませんでした.

CT が搭載されたリニアック製品が登場したのは数年後の事で, 今や CT をもとにした 「画像誘導放射線治療」 は世界標準になっています.

「CT - リニアック」 は放射線治療の精度向上に役立ちましたが, CT では上手く描出出来ない癌は少なくありません.

その点, 磁気を利用した磁気共鳴画像装置 (MRI) 検査は, CT では把握が困難な癌の進展範囲を正確に把握する事が可能です.

そこで登場したのが, MRI とリニアックを一体化した装置です.

腫瘍と正常な臓器の位置や形を照射直前に MRI で画像化し, 超高精度な放射線治療を実現出来ます.

毎回の放射線を極限まで集中して照射する事により, 副作用を大きく減らしながら, 癌病巣に高い線量を投与出来ます.

また, 治療中に MRI を撮影する事も可能で, 病巣の動きを追尾する事も視野に入っています.

放射線治療の理想型である 「MRI - リニアック」 は日本でも薬事承認されており, 膵臓癌にも有効とのデータが出ています.

放射線治療は新時代に入ろうとしています. (引用終り)

Have a nice weekend!
--------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.