(3732) 患者支える 「治す」 と 「癒やす」2020/01/16 02:41

今日は, 中川 恵一東京大学病院准教授が, 日経に連載している 「がん社会を診る」 で, 昨年暮れに掲載された記事からの引用である. (以下引用)
   
今日はクリスマス.

私も暁星学園 (東京・千代田) で, 小中高校と, カトリック教育を受けましたから, 聖歌をソラで歌えます.

尚, 幼稚園は築地本願寺の付属でした。 6 歳にして, 宗教に無頓着な日本ならではの 「改宗」 を経験した事になります.

さて, 現代の医療の源流はキリスト教にあると言えます.

病院の形も中世ヨーロッパの修道院に起源を持ちます.

修道女たちが, 貧者や病人を修道院の中に匿って, 手当 = ケアを行っていたのです.

医療の根底には, キリスト教の 「愛の精神」 が息吐いているのです.

この事はフランス, ブルゴーニュのオスピス・ドゥ・ボーヌ (神の宿とも呼ばれる中世の施療院) を訪れた時に実感しました.

現在のホスピスの原型がそこにありました.

今でこそ, 癌全体の 3 分の 2, 早期であれば 9 割以上が治りますが, 華岡 青洲が全身麻酔を用いた癌手術を世界で初めて実施したのは 1804 年の事です.

最初の放射線治療も 1896 年に行われていますから, 長い間, 癌を治す事など不可能だった訳です.

つい最近まで, 癌患者に対して出来る事と言えば, 癒やしや慰めしかありませんでした.

近代的な医療技術は, ケアという基盤に付け足される形で提供されたものであって, ケアこそが, 医療の原点なのです.

病気の 「治癒」 とは「治す 」 と「癒やす」 から成り立っています.

然し, 医療技術の進歩は 「治す」 と 「癒やす」 の関係を 「治す v 癒やす」 と変えてしまいました.

然し, 先端的な癌治療を売り物にする病院でも, 医師だけでは医療は成立しません.

病院に医師と看護師の両方がいる事からも分るように, 常に, 「治す」 と 「癒やす」 の両方がバランスよく提供されなければよい医療とは言えないのです.

私の膀胱癌の入院経験でも痛感した事ですが, 看護師と医師が上下関係ではなく, チームになって患者を支える体制が大切です.

治療とケアの両方が常に必要で, 病状によって, ウエートが変ってくるだけなのです.

これは, 癌対策基本法の最も重要な考え方だと言えます. (引用終り)

医療の一端で仕事をしていると, 患者さんが口にする 「治る」 と言う言葉には, 人によって意味合いが異なる事に気付かされる. 後日, その点について触れて見たい.

Have a nice day!
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