(3829) 引き籠り支援に新モデル - 家族関係改善で自立へ2020/04/23 02:36

過日, 日経に以下の記事が掲載された.

子どもの引き籠りに悩んでいる家族は少なくない. 参考になるのではないか. (以下引用)

8 月 20 日. 山口県宇部市の公共施設の会議室に, 引き籠りの子供を持つ 12 人の親たちが集まった.

「息子が盆の墓参りに同行し, 墓を掃除してくれた. 家事の手伝いもする様になった」

「仕事に出られる様になったのに, また家に閉じ籠ってしまった. 娘は一からやり直しでしょうか」

誰にも言えず, 溜め込んだ思いを率直に語った.

NPO 法人 「ふらっとコミュニティ」 (宇部市) が月に 1 回開く, 引き籠り当事者の家族によるグループセッションだ.

許可を得て同席した.

「一からやり直しではありません. 一進一退を繰り返しながら良い方向に向かっています」.

親の肉声に耳を傾け, その都度, 助言するのは NPO 法人理事長の山根 俊恵・山口大大学院教授 (精神看護学) だ.

参加者は, 引き籠りと関係の深い発達障害や精神疾患の知識や, 望ましいコミュニケーションの方法などの基礎講座を受講する.

その後, 集団討議に臨み, 家庭が抱える個別の問題に引きつけ, 子供への具体的な接し方などを学びあう.

山根さんは, 「引き籠りや暴力・暴言などの問題行動を頭ごなしに非難するのではなく, その背後にある 『苦しみ』 や 『生き辛さ』 を理解しようと努める姿勢が大切」 と強調する.

親の価値観の押し付けをやめ, 折を見て, 家事など小さな仕事を委ねてみる.

出来ないのは何故か, 理由を対話で確かめる. 焦らず, 諦めず, 実行してくれる条件を整え, 静かに待つ.

「身の周りの事が出来ないのに, 外で働くのは無理. 家事などの達成の積み重ねの先に, 働きたいという気持ちが芽生える」

家族の関係改善の先に, 当事者の自立の道が拓ける.

これが山根さんの方法だ.

機が熟したと見ると, アウトリーチ (本人への働き掛け), 就労支援などに踏み出す.

2018 年度は 16 人の当事者が引き籠りを脱し, 就労したという.

この日, 初めて参加した女性 (77) には, 就職氷河期で正社員になれず約 20 年間, 家に閉じ籠っている 40 代の息子がいる.

「『早く働いて』 『好い加減にしなさい』. そんな言葉を繰り返した. 先ず, 私と息子との関係を変えなければ解決しない事を知った. 多くの家族が苦しみながら前を向く姿に勇気付けられた」

「子供の暴言に疲れ, 自殺を考えた. でも皆さんの顔が浮かび思いとどまった」 とは, 過去のセッションに参加した父親の言葉だ.

引き籠りの子を抱える親もまた, 社会から孤立しがちだ.

が, 複数の家族が悩みを共有し, 共に学ぶ事で, 子供や, 自分自身に対し肯定的になる. そんな効果が観察されるという.

中高年の引き籠りは 61 万人を超す. 科学的知見に基づく支援プログラムの開発, 普及に期待したい. (引用終り)

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (キジの母衣打ち)

Have a nice day!
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