(3880) 真実は一つか?2020/06/13 02:41

Beauty is the truth, truth beauty. (美こそ真実, 真実は美) と英国の詩人 John Keats は謳っている.

然し, 昨今では, そもそも 「真実」 とは何か?, 「正義」 とは何か? その定義が難しくなって来ている, と私は感じている.

過日, ネット上の誹謗中傷を苦に, 若い女子プロレスラーが自殺をしたと思われる事件があった.

これを契機に, 総務省はインターネット上に於ける 「誹謗中傷」 があった場合, 匿名の投稿者を特定し易くすべく, 制度改定行う意向を表明した.

これに対して, 「表現の自由が侵されかねない」 との懸念を口にする人がいる様だが, 全くの 「野放し」 状態が良い筈はなく, 当然の事であろう, と私は考えている.

人はそれぞれ如何なる考え・思想を持とうと本来勝手だが, だからと言って, 他人を "無責任に" 傷付ける様な誹謗中傷が許されるべきではないだろう.

己の主義主張を展開するなら, "正々堂々と" 名前を名乗って行うのがルールと言うものであろう. 戦国時代の侍が 「遠からん者は音にも聞け」 と名告りを挙げた様にだ.  

それを行わないのは 「卑怯」 としか言い様が無い.

謂わば, 「皆で渡れば怖くない」 的発想に基づく言動とも言える.

英語にも Everybody’s work is nobody’s work. と言う言い回しがあって, 皆が責任を持たされている仕事は, 誰も"責任を取る心算で" 仕事をしない, との趣旨である.

話は変るが, トランプ大統領は先日, ツイッターなど SNS の規制強化に向けた大統領令に署名したが, SNS の運営会社が投稿内容に介入するのを牽制する為であるらしい.

米国では通信品位法 230 条によって SNS 会社が保護されていると言う.

例えば, 仮に, 内容が不適切だとして投稿の閲覧制限, 削除をして, 利用者に訴えられたとしても, 会社は法的責任を問われない, とされており, 大統領令はかかる免責対象を狭め様としたのである.

トランプ氏の投稿内容が "誤解される恐れのある情報を含む" として, 閲覧者に事実確認する様, ツイッター社が "注記" した事に, トランプが激怒した事が発端となった様だ.

然し, 米紙ワシントン・ポストは, トランプの事実誤認や誤解を招く発言は大統領就任後, 1 万 8 千回に上り, その約 2 割がツイッター経由だった, と指摘している.

因みに, トランプは, ツイッターで 8000 万人超のフォロワーを抱えていると言う. (一方の, 野党・民主党の大統領候補指名が確実なバイデンのフォロワーは 550 万人程度との事である.)

トランプのツイッターに, 事実誤認が多いのは間違いの無い処の様であるが, 彼にとってば, 自分の考えに "適わない" 「客観的事実」 こそが 「間違い (fake)」 なのであろう.

或いは, こうも考えられる. 彼の政治的信条を実現する為に, "敢えて" 意図的に Fake News を流しているのであると.

また, 「群盲, 象を撫でる」 と言う言葉がある. 象を撫でた一人ひとりの感想は 「正しくもあり, 正しくもない」 と言う事を言っている訳である.

この世の中は, 「ある局面においては正しいと言えるが, 全体としては正しくない」 と言う事が殆どである, と言っても過言ではない.

この世は 「一寸の虫にも五分の魂」 で成立っているが故に, 「100% 正しく, 100% 悪い」 などと言うものは先ず存在 し得ないのである.

例えば, WHO の事務局長が新型コロナウィルス感染に関して, 中国寄りで有り過ぎた為に, 世界をミスリードしたと言うトランプの主張は概ね正しいのではないか, と個人的には考えている.

ホラ吹きトランプだって, 偶には 「客観的事実」 をツイットする事もある訳である. (尤も, 彼の政治的信条を実現する目的に適っていたからなのであろうが...)

ともあれ, 大国の指導者たる者が, 国を分断する様な言動ばかりであっては困るのである.

かつての盟友 (であった?) マチス元国防長官が 「今までこんな酷い大統領はみた事が無い」 と匙を投げた声明を発しているに及んでは, 何をか況んや, と言った心境にならざるを得ない.

国家に限った事ではない. この様な指導者を仰ぐ組織は不幸であると思うのである.

「100% の正義」 など言うものは有り得ない.

殆どの場合, 黒か白か, ではなく, 「黒に近い灰色, ないしは, 白に近い灰色」 と言うのが実態なのではないか, と私は考えている.

その灰色の度合いを如何みるか, 言い換えれば, 優先順位 (Priority) が肝要なのではないか.

何はともあれ, 「黒を白, 白を黒」 と意図的にツイットしたり, 何処かの国の様に, 軍隊を動員してまで人民を制圧しようとするトランプは許されるべきではない, と考えるのである.

「新型コロナウィルス感染に関して隠蔽はなかった, 習 近平国家主席は 3 ヶ月で感染を抑え込んだ」 とする白書を一例とする, 中国政府の発表, 更には, ロシアのプーチン, 北朝鮮の金 正恩.の発言, など, 私もツイッター社的に言わせて貰うと, 「常時 『事実確認』 が必要」 と考えている.

何となれば, 彼らは情報操作を企んでいるが為に, 意図的に Fake News を流して, プロパガンダを行っているからである.

彼らの情報については, 確認の仕様が無いのだが, Fake News だと睨んでいる私の考えさえ, 事実確認を要請されるかもしれない.

立ち位置によって, 黒が白, 白が黒になってしまうからだ. 然し, 物事はそんなに Clear Cut なものばかりではない.

その意味で, 灰色の意味するものをもっと考える必要があるのではないか?

灰色は, ある意味, 「寛容」 の世界でもあるからである.

序でながら, トランプが大統領に就任してからの言動を振り返ってみる.

彼は自らを 「商売人 (ビジネスマン)」 と考えているらしいが, やって来た事はまるで 「ならず者」 の所業である.

自分が税金を幾ら納めているのかも明かさない (脱税がバレルと拙いから?) トランプは, 不動産業で大富豪に上り詰めた由だが, 大分危ない橋を渡ってきたとの噂もある.

そんな彼の取引 (外交) は Business Negotiation には程遠いもので, 相手 (国) を 「恫喝」 によって利を得ようとする戦術のみである.

彼の生い立ちを反映した戦術らしいが, 恫喝すればヒトは常に靡くものだろうか?

習 近平は手を焼いている様だが, 金 正恩はトランプの一枚上を行っている処が面白い.

トランプをして 「金 正恩は約束を守る男だ」 などと弱音を吐かせているのがその一例だろう.

政治的な立ち位置が如何あろうとも, リーダーたるもの, 品性が卑しくあっては淋しい限りである.

Have a nice weekend!
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