(3911) 小脳神経の再生目指し, 治験2020/07/14 02:44

創薬支援のリプロセルは, 幹細胞を注射する治療薬の臨床試験 (治験) を進めている.

対象になるのは, 小脳などの神経細胞の変性で生じる疾患で, 国内の患者は 3 万人とみられている.

リプロセルはこれまでに, iPS 細胞関連の研究支援サービスを提供して来ているが, 治験を契機に, 再生医療分野の 「製薬会社」 として名告りを挙げた事になる.

今回, リプロセルが再生を目指しているのは, 小脳の神経である.

治験の対象は 「脊髄小脳変性症」 で, 小脳や脳幹の神経細胞の異変によって, 歩行時のふらつきや, 手の震え, 呂律が廻らないと言った症状を呈する.

骨や血管, 更に神経などにも分化出来るとされる 「間葉系幹細胞」 を患者に注射するもので, 幹細胞は台湾で, 脂肪から分離してパックに詰め, 凍らせた状態で空輸し, 使用前に解凍する.

リプロセルが今回治験を行う治療薬は, 提携している台湾のステミネント社から供給を受けているが, ステミネントと, 日本で独占的に開発して販売するライセンス契約を締結している.

台湾で既に実施した治験では, 症状の進行を抑える傾向が確認されていると言う.

治験は 2021 年末の終了を予定しており, 早ければ 23 年に臨床現場で使える見込みだと言う.

リプロセルは 03 年に, 京都大学の中辻 憲夫教授や東京大学の中内 啓光教授らの技術を下に設立された会社で, これまで, iPS 細胞用の試薬や iPS 細胞由来の細胞を製薬会社に販売して来ている.

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