(3961) 統合失調症薬の効用, 仕組みを実験で発見2020/09/02 02:41

東京大学の河西 春郎教授らは, 統合失調症の薬が妄想などを抑える仕組みの一端を, マウスの実験で発見したと言う.

この薬は神経細胞でドーパミン受容体の働きを妨げるが, 何故効くかは不明だったとの事.

統合失調症は約 100 人に 1 人が発症するとされ, 幻覚や妄想などの症状が現れる.

若年での発症が多いが薬の効果は限られている.

研究チームは, 特定の周波数の音を鳴らすとともにマウスに水を与える実験をした.

マウスは幅広い周波数の音を水と関連付け, 次に音を聞くと, 脳でドーパミンが増えて水を飲む動作を示した.

然し, 水が期待通り出て来ない周波数は学習し, 水を飲む動作も減った. 脳のドーパミンの量を過剰にすると学習出来なくなった.

統合失調症の薬でドーパミン受容体を阻害すると学習出来る様になった事から, ヒトではこの学習障害が妄想を引き起こすとみている.

今後は, 臨床研究でヒトの脳を調べる計画であると言う.

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