(3975) うつらないメカニズム2020/09/16 02:25

今回も引き続き, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用です. 参考にして戴きたい.

福島第 1 原子力発電所の事故後, 「放射能がうつる」 と言ったデマが広がり, 福島からの避難者が虐めに遭うと言った悲しい事例が見られました.

同様に, 「癌はうつる病気」 という誤解も一部にある様ですが, これも全くの間違いです.

私は 35 年間で 3 万人近い患者を診て来ました. 99% 以上は癌患者です.

患者から風邪を貰った事は何回かありますが, 患者の癌細胞が私に感染した事は一度もありません.

癌細胞は発癌に関係する遺伝子が傷付いて生まれます.

遺伝子の老化が進む高齢者では, 毎日多数の癌細胞が発生すると言われます.

然し, 免疫細胞が水際で癌細胞を見付け, 殺しに懸かります. これを 「免疫監視機構」 と呼びます.

体の中で 「癌細胞」 が発生しても, それらが病巣としての 「癌」 になる訳ではないのです.

処が, この免疫細胞も決して万能とは言えません. そもそも免疫細胞は, 怪しい細胞を見付けると, 「自分」 か 「自分でない (= 異物)」 か, 判断します.

そして, 異物と見做すと殺しに懸るのです.

因みに, 自分の細胞を誤って殺してしまう病気が 「自己免疫疾患」 です.

例えば, 関節リウマチは, 自分の関節の細胞を 「異物」 と誤認して, 免疫細胞が攻撃してしまう病気です.

癌細胞は, 排除すべき対象ではありますが, 元々は自分の細胞ですから, 「異物性」 が低いのです.

然も, 癌細胞にとって, 天敵である免疫細胞の働きを阻害します.

癌細胞が免疫細胞の働きにブレーキを懸けて, その攻撃を阻止している事が判って来ました.

このブレーキを解除する事で, 免疫細胞の働きを再び活発にして癌細胞を攻撃出来る様にする新たな治療法が, オプジーボに代表される 「免疫チェックポイント阻害薬」 です.

然し, 私の免疫細胞にとって, 赤の他人である患者の癌細胞は如何みても 「異物」 ですから, 確実に攻撃が可能です.

私の体の中で免疫の攻撃を免れて増殖出来るのは, 私の癌細胞だけ.

他人の癌細胞が万が一にも入って来ようとしても, 殺されてしまい, 感染はしないのです.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (小さな秋 : 萩にツバメシジミ)

Have a nice day!
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