(4014) 視細胞, 初の iPS 移植2020/10/25 02:21

神戸市立神戸アイセンター病院は, 他人の iPS 細胞から目で光を感じる視細胞を作り, 目の難病 「網膜色素変性」 の患者に初めて移植した, と過日発表している.

臨床研究として実施し, これまでの処, 経過は順調で, 今後約 1 年かけて安全性や有効性の検証を進めて行くと言う.

iPS 細胞を使う再生医療で, 目の病気を手術したのは 3 件目となる.

手術を受けたのは関西地方に住む 60 代女性で, 網膜色素変性を発症し, 網膜の細胞が傷んで視野が狭くなり, 僅かに明暗が分る程度の視力しかなかったと言う.

手術は 10 月上旬に実施し, 約 2 時間で終了した由.

京都大学 iPS 細胞研究所が作製した他人の iPS 細胞を, 視細胞のもとになる細胞に育ててシート状にし, 神戸アイセンター病院で患者の網膜に移植した.

特に合併症はなかったと言う.

記者会見した同病院の栗本 康夫院長は 「治療法がなかった病気を治せるだけでなく, 脳や脊髄などの中枢神経の再生医療に向けた一歩だ」 と話している.

今回は安全性の確認が目的だが, 患者の視力が回復するか如何かも評価を進め, 研究が順調に進み安全性や有効性が確認できれば, 大日本住友製薬が実用化する計画と言う.

網膜色素変性は目の網膜で光に反応し, 刺激を神経細胞に伝える視細胞が傷む遺伝性の病気で, 国内患者数は 3 万 - 4 万人おり, 根本的な治療法はない.

細胞治療のほか, 網膜の役割を果す電子デバイスの移植や遺伝子治療などが試みられている.

理化学研究所と神戸アイセンター病院は, 視細胞の働きを助ける網膜色素上皮細胞の再生医療の臨床研究も手掛けている.

既に 「加齢黄斑変性」 の患者に iPS 細胞から作製した色素上皮細胞を移植し, 1 年の経過観察で安全性を確認した.

iPS 細胞を使う再生医療については, 加齢黄斑変性の他に, パーキンソン病, 角膜の病気, 重症心不全などで, 実際に患者への移植が実施されており, 実用化を目指した研究が進んでいる.

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