(4021) アルツハイマー薬治験 iPS 研究生かす2020/11/01 01:39

京都大は, 特定の遺伝子変異がある家族性アルツハイマー病の進行を遅らせる治療薬候補の医師主導治験を開始すると言う.

候補薬はパーキンソン病の薬 「ブロモクリプチン」 で, アルツハイマー病患者のiPS 細胞から造った神経に, 計 1258 種類の既存薬を与える実験により, 効果が見込める事を突き止めていた由.

また, iPS 細胞を使った研究を基にした治験で, アルツハイマー病が対象になるのは初めてと言う.

治験は京大病院など 7 病院で実施される.

対象は 「プレセニリン 1」 という遺伝子に変異のある, 軽度から中程度の患者 10 人.

2 グループに分かれ, それまでの治療は続けながら, ブロモクリプチンと薬効のない錠剤をそれぞれ飲んで貰い, 認知機能や健康状態に違いが出るか如何かを調べる.

患者は国内に数百人とされ, 参加者が限られるため一般募集は行なわれない.

京大の井上 治久教授らは 2017 年, 患者の iPS 細胞から造った神経細胞にこの薬を与えると, アルツハイマー病の原因蛋白質 「アミロイドβ」 の生成が半減する事を発見している.

これが今回の治験に繫がったもの.

井上教授は 「家族性アルツハイマー病は若年で発症する事が多い過酷な病気だ. 一刻も早く薬を届けたい」 とコメントしている.

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