(4045) はしかウイルス, 2500 年前出現?2020/11/25 02:13

はしか (麻疹) ウイルスが, 牛のウイルスから分れて出現したのは約 2500 年前と推定される, とドイツのロベルト・コッホ研究所などの国際研究チームが発表した, と時事通信が報じている.

これまでは約 1100 年前に出現したとみられていたが, 全遺伝情報 (ゲノム) を詳細に解析して比較した結果, 大幅に遡る可能性が高まった事になる.

はしかが人の間で持続的に感染, 流行するのは 25 万 - 50 万人以上の集団になってから, と言う説がある.

約 2500 年前はユーラシアなどで古代都市が形成された時期に当り, はしかが出現する条件が整ったと考えられる由.

はしかは 1 本鎖の RNA (リボ核酸) ウイルスで, 牛のウイルスの中では欧州やアフリカ, 中近東, アジアで流行した牛疫が最も近いとされる.

牛疫は, 牛が感染すると高熱や下痢などで死に至るが, ワクチンの開発, 普及により, 2011 年に国連食糧農業機関 (FAO) が撲滅を宣言した.

研究チームは, はしかが牛疫との共通祖先から分れた時期を出来るだけ正確に推定する為, 1912 年にはしかで死亡した 2 歳女児の肺の標本をベルリン医学史博物館で発見, RNA のゲノムを解読する事に成功した.

54 年や 60 年に採取された RNA のゲノムと共に牛疫と比較し, 約 2500 年前に分れて人を宿主にする様になった, と結論付けたとの事.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (オオハクチョウ)

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