(4081) ワクチン効果や持続性, 集団免疫のカギ2020/12/31 02:39

今年は新型コロナウィルスに振り回され続けた 1 年であった.

年末が近付き, 漸く, 新型コロナワクチンの接種が米英他で始まり 「集団免疫」 への期待が高まっている.

人口の 3 分の 2 以上が免疫を獲得すれば, パンデミックが終息するとの予測もある様だ.

けれども, 承認を急いだ為, ワクチンの効果や持続性など未確認の部分が多く, 長期的な副作用に関しても不透明だ.

一方, 接種が進み, 集団免疫を早期に実現出来れば, 各国の経済再開が本格化するとの期待があるのも否定出来ない.

因みに, 東京大学医科学研究所の河岡 義裕教授は 「元の生活に戻るには効果の高いワクチンを略全員が接種する必要がある」 との見解を示している.

集団免疫を求める上で根幹となるのは 「基本再生産数」 と言う考え方であるとされる.

1 人の感染者が何人の人にうつすのかを示す指標だが, 新型コロナの場合, 2.5 程度との前提で計算すると, 6 - 7 割の人が免疫を獲得すればパンデミックは終息に向かうと言う.

ワクチンによって集団免疫を達成するには 65 - 70% の接種率が必要だと見積られている.

新型コロナワクチンの開発は, 世界各国で競う様に急ピッチで進められて来た.

然し, 短期間の臨床試験 (治験) を下に, 早期に “条件付きで” 承認された為, 不明な部分が数多く残されている様だ.

専門家が重要視するのは, 先ずワクチンの効果がどの程度現われるかだ. 免疫を持つ割合が高ければ, 感染拡大を抑えて集団免疫に近づく.

接種が始まった米ファイザーと独ビオンテック, 米モデルナがそれぞれ開発した 2 つのワクチンは, 治験では 9 割を超す 「有効率」 だったとされる.

然し, 何万人, 何十万人に接種しても高い数字を維持出来るのかは, 今の処未確認である.

そもそも, 新型コロナワクチンの多くは, 発症や重症化を防ぐ事を目的にしているのであって. 体内でウイルスの増殖をある程度抑えられると, 人にうつす可能性は小さくなるとされるが, 今の処, その効果が明らかにされた訳ではない.

接種した人が感染して, 知らないうちに他人にうつしてしまう可能性は残っている.

もう一つ重要視されるのは 「持続性」 である.

大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂 昌之招聘教授は 「効果が長期間持続する事が必要だ」 と指摘している.

また, 英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究では, 有効性が高くても 1 - 2 年しか持続しなければ, 大部分の人がワクチンを接種する必要がある, と指摘している。

因みに, 承認されたワクチンは RNA など遺伝情報を使う 「新しいタイプ」 と言われている.

新しい技術なので, 使ってみなければわからない部分も多く, 長い目で確認して行かなければならない.

ワクチン接種の有無に拘わらず, 社会的距離やマスク着用, 手洗い (消毒) と言った, “基本的な感染防止策” の徹底を継続する事が, 何よりも重要で, それが自分自身の身を守る最も大切な事である事を.肝に銘ずるべきである.

今日で 2020 年が終り, 明日から 2021 年がスタートする.

何はともあれ, 新年は, ワクチンの接種により, パンデミックが一日も早く終息する事を祈りたい. 

今年一年のご贔屓を有難うございました.

それでは, 皆様, どうぞ良いお年をお迎え下さい.

Have a nice year- end day!!!
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