(6088) インフルウイルス増殖, 宿主の重要遺伝子を特定2026/07/04 02:34

東京大学などの研究チームはインフルエンザウイルスが体内で増える際に重要な宿主の生き物が持つ遺伝子を特定したと言う.

薬への耐性が生じ難い治療薬の開発に繋がる可能性がある.

成果は米科学誌 「セル」 に掲載された.

ウイルスは自分の力だけでは増える事が出来ない. その為宿主である生き物の細胞に侵入して様々な機能を使い, 自身をコピーさせて増殖する.

これまでの抗ウイルス薬はウイルスの蛋白質を標的としており, 変異で薬への耐性が生じ易かった.

研究チームは従来知られていた増殖に関わる宿主の 386 個の遺伝子を選んだ.

そこから生命の維持に不可欠な遺伝子を除いた上で, それぞれの遺伝子の働きを抑えた時にマウスの細胞でインフルエンザの増殖が如何変化するか調べた.

通常と比べてウイルスの増殖が極端に減った 148 個の遺伝子を対象に, ゲノム (全遺伝情報) を改変するゲノム編集技術を用いてそれぞれの遺伝子の働きを抑えたマウスを作製した.

最終的に 84 種類のマウスの作製に成功した.

マウスにインフルエンザを感染させると, 17 種類のマウスでウイルスの増殖が抑えられた. その内 2 種類のマウスでは雄雌共にウイルスの増殖が特に抑えられ, 生存率も大幅に向上した.

2 種類はそれぞれ 「RGNEF」 と 「Lasp1」 と言う細胞の形を保つ蛋白質の遺伝子が働いていないが, マウスは正常に生存していた.

これらの遺伝子はこれまで主に癌の関連で研究されて来た.

国立健康危機管理研究機構の植木 紘史主任研究員は 「副作用を抑えつつウイルスの変異による耐性が生じ難い治療薬の標的になり得る」 と話している.

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