(4178) 福島事故の教訓 「過剰診断」2021/04/07 01:55

今回は, 再び, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用です. 参考にして戴きたい.

東京電力福島第 1 原子力発電所の事故から 10 年が経ちました.

チェルノブイリの原発事故とは違い, 住民の被曝量は非常に少なく, 放射線による健康被害は皆無と言えます.

然し, 事故の 「副作用」 は甚大で, 東京電力の責任は重いと言えます.

これまでに約 30 万人がこの検査を受け, 合計で 252 人が 「甲状腺癌または甲状腺癌疑い」 と診断されました (20 年 6 月時点).

この検査は, チェルノブイリ原発の事故後に, 約 7000 人もの子供に甲状腺癌が見付かった事から始められたものです.

チェルノブイリと福島では甲状腺の被曝量は全く違います.

チェルノブイリの避難者の甲状腺被曝量 (等価線量) は平均で 490 ミリシーベルトでした.

特に, 就学前児童の 5% が甲状腺に 5000 ミリシーベルト以上の被曝をしています.

一方, 福島での甲状腺被曝量は 19 歳以下の中央値で 4.2 ミリシーベルトと格段に低くなっています.

放射線の影響を最も受け易い 1 歳児の被曝量も 40 ミリシーベルト未満に止まりました.

チェルノブイリと比べて遥かに被曝量が低い福島で甲状腺癌が多発しているのは, 元々存在していた 「無害な」 甲状腺癌を, 精密な検査によって発見しているからです.

癌が増えているのではなく, 「発見」 だけが増えている訳ですから, 同じ検査を東京で実施しても, 福島と同じ頻度で甲状腺癌が見付かる筈です.

命に関わらない癌を見付けて治療しても, マイナスになるだけです.

この 「過剰診断」 により, 韓国では 20 年間で甲状腺癌が 15 倍にも増えましたが, 死亡率は減りませんでした.

この癌で命を落す事は殆どないからです.

ただ, 韓国では, 「アンチ過剰診断」 キャンペーンが進み, 甲状腺癌検診の受診者数はピーク時から半減しています.

事故から 10 年の今, 福島での甲状腺検査の在り方も見直されるべきかと思います. (引用終り)

如何やら 「過ぎたるは及ばざるが如し」 の様だが, 新型コロナに関して言えば, 日本の PCR 検査は, 依然として 「過小診断」 と言えるのではないだろうか?

Have a nice day!
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