(4202) 新型コロナを 5 分で検出!2021/05/01 03:14

理化学研究所の渡辺 力也主任研究員と東京大学の西増 弘志教授などのグループは, 半導体製造技術を応用して製造したチップを使って, 新型コロナウイルスを 5 分以内に検出可能な新技術を開発したと言う.

PCR 検査の様に唾液などの検体からウイルスの遺伝子を精製・増幅する必要がなく, コストも同程度に抑えられる.

2021 年度内に企業と連携して全自動化した小型装置を作り, 22 年度から臨床現場での実証を目指している.

新型コロナの検査では PCR 検査と抗原検査が主に使われている.

PCR 検査は高精度だが, 唾液や鼻咽頭ぬぐい液と言った検体を採取した後, ウイルスの RNA (リボ核酸) の精製や複製に必要な時間も含めて検出まで 1 時間程度を要する.

一方, 抗原検査は特殊な装置を使わずにその場で調べられるが, 検出精度が低いと言う課題がある.

理研などが開発した技術では, ウイルスの検出に半導体製造技術を応用した微小な試験管が多数並んだチップを使う.

試験管は 1 センチメートル四方に約 100 万個並んでおり, それぞれの中で試薬とウイルスの RNA が反応すると蛍光を出す. これを検出する仕組みと言う.

検出までに懸かる時間は 5 分と, 世界最速レベルを実現した.

初期費用を除いたチップと試薬などの 1 回当りの費用も PCR 検査と同程度で済む.

感度は PCR 検査よりも低いが, 従来の抗原検査よりは高く, 感染を診断するのに十分な水準だと言う.

渡辺主任研究員は 「企業と協力して装置化し, 診療所に置けるようにしたい」 とコメントしている.

試薬の設計を変える事で, インフルエンザやエボラと言った他の RNA ウイルスの検出にも利用できる他, 血液中の RNA を調べる癌などの検査にも応用出来る, と研究グループは見込んでいると言う.

Have a nice weekend!
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