(5305) 花粉症で低下, 癌リスク2024/05/10 01:51

今回は, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの以下引用です. 参考にして戴きたい.

5 月に入り, 漸く花粉症が楽になって来たと言う読者も多いと思います.

花粉症は, 花粉に対するアレルギー反応によって起ります. 花粉に対して IgE と言う抗体が作られ, 免疫細胞の一つである 「肥満細胞」 の表面に結合します.

同じ種類の花粉が再び体内に入ると, IgE 抗体と 「抗原抗体反応」 を起し, 肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されます.

これがくしゃみや鼻水, 目の痒みと言った症状を引き起します.

IgE は石坂 公成・照子夫妻によって 1966 年に発見されました.

IgE 抗体は, 寄生虫が腸に侵入した時に重要な役割を果します.

寄生虫に特異的に反応する IgE 抗体が肥満細胞を刺激し, 寄生虫の定着を防ぎます.

寄生虫感染が激減し, 行き場を失った IgE 抗体が花粉症を引き起していると考えられます.

癌は全体で約 6 割, 早期であれば 9 割が治ります.

その点, 花粉症は一度発症すると完治は稀で, 長く付き合って行かなければならない病気です.

癌は細胞の老化と言える病気です. 加齢と共に臓器の表面を覆う上皮細胞の遺伝子にキズが積み重なり, 癌細胞が発生します.

年齢を重ねると毎日発生する癌細胞の数は増えて行きます.

一方, 免疫細胞が癌細胞を察知して未然に倒す 「免疫監視機構」 も加齢によってパワーを失いますから, 年齢と共に癌が急増する事になります.

その点, 花粉症が最も多いのは免疫の働きが活発な 10 代で, 年齢と共に有病率は低下して行きます.

重症度も同様の傾向があり, 年齢と共に症状が楽になったと感じる読者も多い筈.

嫌われ者の花粉症ですが, プラス面もありそうです.

花粉症の様なアレルギー症状を持つ人では, 膵臓癌や大腸癌, 食道癌, 胃癌, 口腔癌, 喉頭癌, 子宮体癌, 脳腫瘍などの発症リスクが低下するとの調査結果が出ています.

取分け 5 年生存率が 1 割程度で, 最凶の癌と言える膵臓癌のリスクが, 花粉症になると低下すると言う研究結果が増えているのは朗報でしょう.

8 つの疫学調査の結果を統合して分析した 「メタアナリシス」 の結果でも, 花粉症の人は膵臓癌の発症リスクが 4 割も低下していました.

過剰な免疫反応が起っている花粉症の人は, 免疫監視機構の働きも強まっているのではないかと思います.

とは言え, 無駄な造林と言う失政から深刻化した花粉症です. 岸田 文雄首相には約束通り, 対策を進めて貰いたいと思います.

Have a nice day!
-------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.

コメント

トラックバック