(4851) 病院嫌いにも, 検診の勧め2023/02/11 01:51

今回は, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用です. 参考にして戴きたい.

東京大学医学部時代に解剖学を学んだ恩師, 養老 孟司先生との共著がこの程発売されました.

『養老先生, 再び病院へ行く』 (エクスナレッジ) です.

この本は 2021 年に出版し 10 万部超えのベストセラーとなった 『養老先生, 病院へ行く』 (同) の続編です.

20 年に心筋梗塞で緊急入院し, 回復されてからの養老先生と私が, 医療や老い, 死などについて, 往復書簡スタイルで執筆しています.

そもそものきっかけは養老先生からのメールでした.

「体重が 15 キロも落ちて, 元気がなくなり, 殆どビョーキです. 糖尿は間違いなくあると思います. 養老 拝」

私の診察室にお越し戴き, 無痛性の心筋梗塞と診断, そのまま緊急のカテーテル治療を受けて戴きました.

この病気の背景に糖尿病があった為, 養老先生は退院後も東大病院に通院していましたが, それも半年程でやめてしまいました.

前著でも, 養老先生は 「原則として医療に関わりたくない」 と述べています. 今も筋金入りの病院嫌いの様です.

そんな養老先生が 22 年 2 月, 1 年数カ月ぶりに東大病院を再診されました.

その理由はここで詳しく述べませんが, 続編はこのエピソードから始まっています.

医療と出来るだけ距離を取りたい養老先生は, 『患者よ, がんと闘うな』 や 『がん放置療法のすすめ』 などのベストセラーを出し, 22 年に急逝された近藤 誠医師とも懇意でした.

癌による死の最大の特徴は 「死が予見される」 事. 治らないと判っても, 年単位の猶予があり, 比較的長い間, 身体の機能は保たれ, 最後の数週位で急速に悪化する経過を取ります.

詰り, 痛みなどの症状を取って, 上手く付き合えば, 癌も 「ピンピンコロリ型」 の病気になる訳です.

近藤医師も 「癌で死にたい」 と思っていた筈です. 然し, 養老先生も患った心筋梗塞で突然の死を迎えました.

ギリギリの処で嫌いな病院に入院し, すっかり回復して虫採りや仕事に精を出す養老先生とは対照的です.

癌の場合, 僅かでも症状が出たら, 殆どの場合, 進行癌か末期癌です.

だからこそ, 癌検診を受けて, 無症状の内に早期発見する事が大切なのです.

早期発見出来れば, 癌の 95% 近くは治ります.

養老先生の様に, 困った時だけ医療の恩恵に与る 「上手い」 遣り方は, 万人にはお勧め出来ません.

「過剰診断」 は避けながら, 「長生き効果」 がはっきりしている検査は受けておいた方が得だと思います.

Have a nice weekend!
-------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.

コメント

トラックバック