(5452) iPS で糖尿病治験2024/10/04 02:49

京都大学病院は iPS 細胞から作った膵臓の細胞シートを糖尿病の患者に移植する臨床試験 (治験) を 2025 年にも実施すると言う.

血糖値を下げる為の注射を不要にしたり, 回数を減らしたりして, 患者の負担を軽減出来る可能性があり, 30 年代の実用化を目指している.

膵臓の細胞が正常に働かず血糖値が上昇し, 様々な合併症を引き起こす重症の 1 型糖尿病の患者に iPS 細胞から作った膵臓の細胞 「膵島細胞」 を移植する.

京大などは iPS 細胞から膵島細胞を作ってシート状にする技術を開発し, この技術を下に京大病院での治験計画を立てた. 今年 8 月下旬に京大の治験審査委員会で承認され, 医薬品を承認審査する医薬品医療機器総合機構 (PMDA) に計画書を送付した.

25 年 2 月に最初の手術を計画している.

1 型糖尿病は, 血糖値を下げる働きがあるインスリンを出す膵島細胞が壊されてしまう病気だ.

若い人が罹る事が多く, 生活習慣が影響する 2 型糖尿病とは異なる. 口の渇きや体重減少の他, 腎臓の機能低下や神経障害を引き起す事もある.

患者は, 毎日数回に亘りインスリン製剤を自分で注射する必要があり, 国内には 10 万 - 14 万人の患者が存在するとされる.

重症になるとインスリン注射でも血糖値の制御が難しくなり, 治験ではこうした患者を対象として想定する. 20 歳以上 65 歳未満の患者 3 人を予定する.

健康な人の細胞から作った iPS 細胞を下に膵島細胞の塊を作り, 複数集めて数 センチメートル四方のシート状にする. 手術で複数のシートを患者の腹部の皮下に移植する.

移植したシートが患者本来の膵島細胞の代りにインスリンを放出し, 血糖値を下げる事で, 患者の体の負担や合併症のリスクを減らせる.

シートは京大と武田薬品工業が中心となって立ち上げ, iPS 細胞の事業化を手掛ける 「オリヅルセラピューティクス」 (神奈川県藤沢市) が製造する.

同社は実用化に向けて今回の治験の後, 海外の研究機関や企業などと協力し, 規模を拡大した国際共同治験によって有効性を確かめる方針と言う.

健康な人の膵島細胞を移植する既存の治療法はドナー (提供者) が不足しており, 免疫抑制剤による副作用もある.

京大で今回の治験を担当する矢部 大介教授は記者会見で 「この治療法が根治に向けた第一歩となる事を期待している」 と話している.

世界でも 1 型糖尿病の治療技術の開発が進む. 米バイオ企業のバーテックス・ファーマシューティカルズは 6 月, 1 型糖尿病の患者 12 人にヒトの幹細胞から作った膵島細胞を移植し, インスリンが作られる事を確認したと発表した.

内 11 人は注射などによるインスリンの投与量が減ったり, 投与が不要になったりした.

国立国際医療研究センターはヒトではなくブタの膵島細胞を使う手法の研究を進めており, 今後 1 型糖尿病患者向けに臨床試験の実施を目指す.

ヒトの免疫がブタの細胞を攻撃するのを防ぐ為, 細胞を微小な穴の開いたカプセルに入れて投与する.

ブタの細胞が作るインスリンはヒトのものとの違いが少なく代用出来る. 過去にはブタのインスリンを糖尿病の治療に活用していた時代もある.

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