(5342) iPS で卵子・精子のもと, 細胞大量作製, 不妊症の原因解明に道2024/06/16 02:16

京都大学の斎藤 通紀教授らはヒトの iPS 細胞から卵子や精子のもとになる細胞を大量に作る技術を開発したと言う.

卵子や精子が 出来る仕組みや不妊症の原因を解明する研究に役立つとの由.

今後, 人工的に卵子や精子を作れる様になる可能性がある.

ヒトの体内では卵子や精子のもとになる細胞は胎児の段階で出来る. 受精後約 2 - 3 週間で生殖細胞のもとになる 「始原生殖細胞」 が出来る.

更に, 始原生殖細胞は同約 10 週間までに女児では卵子のもと 「卵原細胞」, 男児では精子のもと 「前精原細胞」 になる.

出生後, 性成熟すると卵子や精子が体内で作られる様になる.

斎藤教授らの研究チームは体の様々な細胞になれるヒトの iPS 細胞から作った始原生殖細胞をもとに, 卵子や精子のもとを大量に作る技術を開発した.

これまで, マウス胎児の卵巣細胞などと混ぜて培養する技術はあったが, 5000 個の始原生殖細胞から作れる卵原細胞が約 500 個に止まり, 作製効率が非常に低かったと言う.

新たな技術では始原生殖細胞を培養する際, 細胞の増殖や変化を促す蛋白質を与える事で, マウスの細胞を使わず卵原細胞や前精原細胞を作れる様にした.

4 カ月程の培養で細胞を 100 億倍以上に増やす事が出来, 始原生殖細胞が卵原細胞や前精原細胞に変化する様子も詳しく観察出来る様になった.

研究成果は英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された.

不妊症では何らかの原因で卵子や精子が正常に作られなくなっている場合がある.

斎藤教授は 「今回開発した手法は生殖細胞の分化が上手く行かない原因を解明する研究を加速する」 と話す.

卵子や精子のもとになる細胞を大量に作製出来る様になると, 遺伝子の働きなどを解明する実験を進め易くなる.

将来的にヒトの iPS 細胞から卵子や精子を作る研究にも繋がる. 既にマウスでは iPS 細胞から卵子や精子を作る技術がある.

大阪大学の林 克彦教授らは 2023 年, オスのマウスの iPS 細胞から卵子を作り, 別のオスの精子と受精させる事で, オスのマウスだけから子どもを誕生させる事にも成功した.

ただ, ヒトとマウスは卵子や精子が出来る仕組みが大きく異なる. ヒトの卵子や精子を作る技術は実現していない. 卵原細胞や前精原細胞を卵子や精子に成長させる技術の研究にも, 斎藤教授らの研究成果は役立つとの由.

技術的な課題が未だ多いが, ヒトの iPS 細胞から人工的に卵子や精子を作れる様になれば, それらを受精させる基礎研究も実施出来る見通しと言う.

政府の生命倫理専門調査会は 24 年 1 月, 受精させる基礎研究を容認する方針を決めた. 現在は国の研究指針で禁止しているが, 指針の見直しに向けて議論する.

Have a nice weekend!
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