(4434) 癌も 「ピンピンコロリ」 型に2021/12/19 01:32

今回は, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用です. 参考にして戴きたい.

日本人の理想の死に方は 「ピンピンコロリ」 だと言われます.

ついさっきまでピンピン元気だったのに, 突然, コロリと死んでしまえば, 確かに苦しい思いをする事はありません. 死の恐怖とも無縁でいられるでしょう.

この春, 2 人の親しい友人が亡くなりました.

1 人は放射線治療の専門医で, 私より 1 つ上の 62 歳. 私が東大病院で臨床研修を始めた頃の指導医でした.

もう 1 人は, 精神科医で, 癌対策, 特に緩和ケアの分野のキーマンでした. 47 歳の若さでした.

共に, 勤務先で, 仕事中に亡くなりました. 何の前触れもない突然の死. 恐らく, 心筋梗塞と思われます.

恩師の養老 孟司先生が無痛性の心筋梗塞を発症し、東大病院で緊急治療を受けた経緯から, 医療や死を語った共著 「養老先生, 病院へ行く」 (エクスナレッジ) を出版した, 丁度その頃でした.

亡くなった 2 人の場合, まさに, 「ピンピンコロリ」 型の死だったと言えます.

然し, 私は, 心臓発作などで, 突然, 命を落すのはご免です.

やり残した事もありますし, 燃やしておかなければならないものも山程あります. パソコンのデータは一体如何なるのでしょうか. 遺書だって書いておきたいですね.

矢張り, 人生を整理し, 締め括る時間が欲しいです.

癌は 「ピンピンコロリ」 とは反対に, 徐々に死に向かって行く病です.

そして, 癌による死の最大の特徴は 「死が予見される」 点にあります.

実際, 全く症状がなく, 「自分は本当に癌なのか」 と訝かる患者に, 医師は (当てにならない事も多いのですが) 「余命 1 年」 などと宣告します.

患者は, 死ぬその瞬間まで, 死の恐怖と闘わなければなりません. ただ, 癌の場合, 治らないと分っても, 年単位の猶予があります.

そして, 比較的長い間, 身体の機能は保たれ, 最後の数週位で急速に悪化する経過を取ります.

詰り, 死の直前まで, 痛みなどの症状を取って, 上手く付き合えば、 癌も 「ピンピンコロリ型」 の病気になる訳です.

然し, 日本では緩和ケアが遅れて来た為, 癌の痛みに耐え, 苦しみながら死を迎える癌患者が後を絶ちません.

私の臨床経験でも, 最期の貴重な時間を痛みとの格闘に費やした患者が沢山居ました.

国立がん研究センターが昨年纏めた 「遺族調査」 でも, 癌で亡くなった患者の約 4 割が直前まで痛みを訴えていた事が分っています.

緩和ケアが進み, 癌が理想の死になる事を心から願っています. (引用終り)

ある意味, 「癌も考え様」 と言う事であるが, それには 「緩和ケア」 の充実次第!

Have a nice weekend!
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