健康小話

日経によると, 京都大学の北川 進特別教授らは, 同じ種類でも質量 (重さ) が僅かに異なる水と重水を効率よく分離できる新材料を開発したと言う
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多孔性の材料に通すだけで分離出来る.

従来, 放射線治療などで利用される重水は, 何度も蒸留して取り出していたが, 効率は 100 倍以上になると言い, 医療や科学研究のｺｽﾄ低減に役立つ成果との由だ.

中国の華南理工大学との共同研究の成果で, 10 日に英科学誌 「ﾈｲﾁｬｰ (電子版)」 で論文が公開された.

開発したのは, 有機分子と金属ｲｵﾝが格子状に並び, 1 ﾅﾉ (ﾅﾉは 10 億分の 1) ﾒｰﾄﾙ程度の微小な穴が多数空いた 「多孔性金属錯体」 と言う材料.

格子状の構造の中に 「ｹﾞｰﾄ」 の様な役割をする分子があり, これが僅かにずれ動く事で, 水分子が重水の分子よりも 2 倍以上速く進む様にした.

重水は水と質量数が異なっており, 自然界に僅かに存在する. 放射線治療や原子炉に使われる.

沸点などの性質は水に近く, 一般には水の電気分解や蒸留で取り出すが水と分離する効率が悪くｺｽﾄが嵩む.

京大の新材料ならば 100 倍以上の効率で水と重水を分けられると言う.

今後は企業と協力して実用化を目指す.

新材料を改良すれば, 大気中の酸素とｱﾙｺﾞﾝなど, 他の性質が似た物質も効率よく分離出来る.

北川特別教授は多孔性材料の開発でﾉｰﾍﾞﾙ賞候補者にも名を連ねており, 二酸化炭素 (CO2) の分離や, 化学材料の合成工程にかかる消費ｴﾈﾙｷﾞｰの改善に繫がると期待されていると言う.

Have a nice weekend!
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