(5589) 筋力を維持・回復する新薬に挑む2025/02/18 01:46

日経の報ずる処によると, 東レと筑波大学は筋力を維持・回復する新薬の共同開発に乗り出す.と言う

宇宙空間での研究成果を生かし, マウスで筋力低下の改善に効果が認められた化合物の活用を探る.

加齢に伴う衰えや老化の進行を抑える創薬を目指し健康長寿社会の実現に繫げる. 産学で総額 5000 億円規模と見込まれる市場開拓に挑む.

無重力の宇宙空間では地球上の数十倍の速さで筋肉が減り筋萎縮が起きる.

筑波大と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) のこれまでの研究により, 筋肉の内, 抗重力筋としてゆっくり動き姿勢を保つ足の 「ヒラメ筋」 が宇宙では収縮スピードの速い筋肉に変る事が分って来た.

一連の過程には特定の遺伝子が関与していると見られる.

筑波大と JAXA は国際宇宙ステーション (ISS) の実験棟 「きぼう」 でマウスを使って筋肉の変化を研究し, 得たデータから候補と見られる遺伝子を絞り込んだ.

この遺伝子の応用研究による創薬に筑波大と東 レが取り組む.

老化や病気が進むと筋肉が減り反応も遅くなるが, 筋力の衰えを人為的に制御出来る可能性がある.

東レは加齢で筋力が低下したマウスに対し, ある化合物を与える事で握力が回復する事を確認している.

健康なマウスで約 0.13 キログラムあった握力の平均値が老化進行で約 0.07 キログラムに下がった時点で化合物を投与した処, 握力が 0.10 キログラム程度に改善.

悪性癌となったマウスに化合物を与えても 0.11 キログラム程度に落ちていた握力が, 略元の約 0.13 キログラム近くに戻ったと言う.

化合物は腎臓透析患者向けの難治性の痒み止め薬として承認され, 安全性も確認済み. 筋力低下を改善する新たな薬効の実用化を目指す.

現象面で把握していた効果を, 分子レベルや生体内の結合メカニズムの機構解明から裏付け, 新薬承認を目指す. 2026 年から実用化を検証し, 29 年からの臨床試験を計画する.

痒み止めとして使われる医薬品の年間市場規模は, 国内で最大約 130 億円. 筋力低下を改善する新薬として認められれば市場は約 40 倍の約 5000 億円と見込み, 産学で知見や技術を持ち寄って有望市場を切り開く.

新薬には社会の要請も高い. 「サルコペニア」 と呼ばれる老化による筋肉量や筋力の低下や, 心身の機能が衰えるフレイル (虚弱) は介護人口の拡大に繫がり, 高齢化の進展と共に社会問題にもなっている.

身体を扱う体育系と医学系の研究の間には学術的な壁があるが, 学部制ではなくフラットな学群制をとる筑波大はフレイル解決などを探究する体育系の専門家とも連携がし易い. 筑波大の高度な研究機器や施設を利用出来る利点もある.

筑波大は, 人口約 26 万人のつくば市民の内約 1 万人の協力により, ウェルビーイング (心身の健康や幸福) に関する研究を進めている. データを創薬に生かすコンソーシアム (企業連合) も立ち上げた.

こうした枠組みも活用して筋力低下を防ぐ画期的な新薬の実現を加速化する.

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