健康小話

今日は, 認知行動療法研修開発ｾﾝﾀｰの大野 裕先生が日経に連載しておられるｺﾗﾑ 「こころの健康学」 からの以下引用です.

小学生の孫と一緒に食事をしていた時の事だ.

ﾃﾚﾋﾞのﾆｭｰｽを見ていたら 「消して欲しい」 と頼まれた. 暗いﾆｭｰｽが多くて気持ちが暗くなるからだと言う.

確かに戦争や犯罪など暗いﾆｭｰｽが多く, 苦しんでいる人たちを見ていると, こころが塞いで来る.

一方, ｽﾎﾟｰﾂﾆｭｰｽで贔屓のﾁｰﾑが勝って喜んでいる人を見ていると, 自分がそのﾁｰﾑを応援していなくても表情が緩んで来る.

この様にﾃﾚﾋﾞを通してでも, 目に入って来る人の感情が伝わって来る.

感情伝染とも呼ばれるこの反応は, ﾐﾗｰﾆｭｰﾛﾝと言う脳細胞の働きによると考えられている.

ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞな感情よりもﾈｶﾞﾃｨﾌﾞな感情の方が伝わり易い.

前回, 怒りの感情が湧いた時, 直ぐに不満を口にするのではなく, 一呼吸置く事が大事だと書いたのもこの為だ.

不満を言わないまま我慢していると益々不満が強くなって来る.

必要な事はきちんと伝えるべきだ. 然し伝えるﾀｲﾐﾝｸﾞは考えた方が良い.

怒りを抑えていると, 理路整然と話をしている心算でも, さりげない態度や口調, 雰囲気でその感情は伝わってしまう.

その結果, 相手も同じ様に腹立たしい気持ちになり, 怒りが互いに高まって来る.

その悪循環を好循環に変える為には, 一呼吸置いて出来るだけ穏やかな気持ちになる様にする.

穏やかになって話をすれば, その気持ちが相手に伝わり, 相手も同じ様に穏やかになる.

こうしたこころの動きにほんの少し気を使うと, 人間関係がｽﾑｰｽﾞに行き易い.

Have a nice day!
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