(5857) 薬が効かない病原菌, ペット にも潜伏して感染 ― 2025/11/23 02:43
日経の報ずる処によると, 抗菌薬が効き難い薬剤耐性菌は毎年 500 万人の命を奪い, 世界で最も深刻な死因の一つとされていると言う.
その脅威が近年更増している, 幾つかの科学研究は食肉やペットの体に耐性菌が潜む状況や, 温暖化で菌が強くなり薬が一層効き辛くなる懸念を指摘する.
感染症から人々を救って来た抗菌薬が耐性菌を生み, 人類を追い詰める皮肉な構図が浮き彫りになっている.
市販の食肉やペットの犬が食べる冷凍肉から薬剤耐性菌が相次ぎ見付かった... 英ブリストル大学などが 2024 年に 「査読前論文 (プレプリント)」 で発表した研究は, 耐性菌の対策に取り組む関係者らの注目を集めた.
研究チーム は牛肉や冷凍の鶏肉などを調べた. すると家畜の治療に使う抗菌薬が効き難い大腸菌が多く見付かった.
更に一部の肉からは, 耐性菌を退治する為に使う特殊なタイプの抗菌薬でも効果が出難い大腸菌が検出された.
耐性菌は入院中の患者や健康な人の間で流行して来たが, 複数の科学研究からは人体以外の身近な場所にも菌が潜む状況が見えて来た.
家族の一員のペットも耐性菌に感染している模様だ. ポルトガルのリスボン大学などは 24 年, 犬や猫から飼い主に菌がうつるリスクがあると言う研究を欧州の感染症関連の学会で発表した.
ポルトガルと英国の約 70 世帯を調べた処, 7 世帯でペットと飼い主の双方が主要な抗菌薬の一種に耐性を持つ同一の株の大腸菌などに感染していた.
研究チームは 「一部はペ ットから人間にうつった可能性が高い」とみる.
抗菌薬は多くの人命を救って来た. だが肺炎や中耳炎などの治療向けに抗菌薬が普及すると, 薬が効き難く変化した耐性菌が生まれて世界に広がった.
従来は出来るだけ抗菌薬の使用を控えて菌の発生を防いで来た. だが 23 - 25 年に英バース大学などが発表した研究成果は, その常識に一石を投じた.
研究チームは 18 - 22 年に英国の下水処理場で採取した排水を分析し, 水が含む抗菌薬と耐性菌の遺伝子の量を調べた. すると 18 -- 19 年に掛けて, 肺炎などの患者が少ない夏に薬の使用量が減っていた.
同時に耐性菌も出現し難くなる筈だが, その存在を示す遺伝子は減少していなかった.
一方で, 同様に薬の使用量が少なかった 20 - 21 年には耐性菌の遺伝子も減っていた. この時期は新型コロナウイルス感染症の流行で市民の行動が制限されていた.
研究チームは人間同士が接触する機会が減った為に, 耐性菌の流行が抑えられたと考えている.
これらの研究結果は, 抗菌薬の使用を減らす従来の対策だけでは耐性菌の脅威を防ぎ切れない可能性がある事を示す.
近年の温暖化の影響で耐性菌の脅威が一段と増す恐れもある.
データを使い, 異なる温度で菌を培養した.
この研究では温度が上がると細菌の集団に占める耐性菌の割合が増した. また耐性菌の運動能力が高まり, 抗菌薬を防ぐ多糖類の膜を作ったり薬を排出したりする機能に関わる遺伝子の働きも活発になった.
本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトギャラリーから (扇の様に拡がる朝焼け)
Have a nice weekend!
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・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
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その脅威が近年更増している, 幾つかの科学研究は食肉やペットの体に耐性菌が潜む状況や, 温暖化で菌が強くなり薬が一層効き辛くなる懸念を指摘する.
感染症から人々を救って来た抗菌薬が耐性菌を生み, 人類を追い詰める皮肉な構図が浮き彫りになっている.
市販の食肉やペットの犬が食べる冷凍肉から薬剤耐性菌が相次ぎ見付かった... 英ブリストル大学などが 2024 年に 「査読前論文 (プレプリント)」 で発表した研究は, 耐性菌の対策に取り組む関係者らの注目を集めた.
研究チーム は牛肉や冷凍の鶏肉などを調べた. すると家畜の治療に使う抗菌薬が効き難い大腸菌が多く見付かった.
更に一部の肉からは, 耐性菌を退治する為に使う特殊なタイプの抗菌薬でも効果が出難い大腸菌が検出された.
耐性菌は入院中の患者や健康な人の間で流行して来たが, 複数の科学研究からは人体以外の身近な場所にも菌が潜む状況が見えて来た.
家族の一員のペットも耐性菌に感染している模様だ. ポルトガルのリスボン大学などは 24 年, 犬や猫から飼い主に菌がうつるリスクがあると言う研究を欧州の感染症関連の学会で発表した.
ポルトガルと英国の約 70 世帯を調べた処, 7 世帯でペットと飼い主の双方が主要な抗菌薬の一種に耐性を持つ同一の株の大腸菌などに感染していた.
研究チームは 「一部はペ ットから人間にうつった可能性が高い」とみる.
抗菌薬は多くの人命を救って来た. だが肺炎や中耳炎などの治療向けに抗菌薬が普及すると, 薬が効き難く変化した耐性菌が生まれて世界に広がった.
従来は出来るだけ抗菌薬の使用を控えて菌の発生を防いで来た. だが 23 - 25 年に英バース大学などが発表した研究成果は, その常識に一石を投じた.
研究チームは 18 - 22 年に英国の下水処理場で採取した排水を分析し, 水が含む抗菌薬と耐性菌の遺伝子の量を調べた. すると 18 -- 19 年に掛けて, 肺炎などの患者が少ない夏に薬の使用量が減っていた.
同時に耐性菌も出現し難くなる筈だが, その存在を示す遺伝子は減少していなかった.
一方で, 同様に薬の使用量が少なかった 20 - 21 年には耐性菌の遺伝子も減っていた. この時期は新型コロナウイルス感染症の流行で市民の行動が制限されていた.
研究チームは人間同士が接触する機会が減った為に, 耐性菌の流行が抑えられたと考えている.
これらの研究結果は, 抗菌薬の使用を減らす従来の対策だけでは耐性菌の脅威を防ぎ切れない可能性がある事を示す.
近年の温暖化の影響で耐性菌の脅威が一段と増す恐れもある.
データを使い, 異なる温度で菌を培養した.
この研究では温度が上がると細菌の集団に占める耐性菌の割合が増した. また耐性菌の運動能力が高まり, 抗菌薬を防ぐ多糖類の膜を作ったり薬を排出したりする機能に関わる遺伝子の働きも活発になった.
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